どうも、あいうえです。
皆さんはバリュー投資をご存知でしょうか。
まあ、投資を始めて最初に習うものなので知らない人の方が少ないですよね……。
とはいえ、そのくせにバリュー投資というのものについては、実行しいい成績を納めるのが難しいことが知られています。そもそもバリュー株を探すのが難しいし、バリューかと思ったらバリュートラップだったりと大変です。
ということで今日は、これバリュー株っぽくね?という株を大人買いするETFを紹介していこうと思います。見つけるのが大変ならまとめ買いすればいいじゃない!
1 VTV・IUSV
今回紹介するのがこちらの大型バリュー株ETFであるVTVとIUSVです。
VTVはバンガード社が、IUSVはブラックロック社が運用するETFということで、どちらも大手ETFですね。
しかし、同じバリュー株ETFと言っても中身は違うので、それぞれのETFの作られ方を見ていきましょう。
まずはVTVですが、PER・PBR・配当利回り・PSRを使って銘柄を選択しています。
どれもこれもバリューじゃね?と思われる株式をスクリーニングするときによく使われる指標で、それらを組み合わせているというのはものすごい普通ですね。
とくにVTVにおいてはPER>PBR>PSR>配当利回りの順に計算を与える影響が大きい感じです。
計算式によって求められた値からその銘柄がバリュー株かどうかを判断し、組み入れの有無を決定しています。
加重方法についてですが、VTVは単なる時価総額加重です。バリュー株ETFなのに、時価総額の高いもの(普通に考えればバリューとは逆)を入れるというのは変な感じがしますが、まあ、普通の加重方法です。
次にIUSVのを見ていきますが、VTVに比べると複雑です。一応理解できた限りは書きますが、正確性は保証しかねますし、正直読む価値があるのかなとは思います……。
まず、それぞれの株についてグローススコアとバリュースコアというのを計算します。
グローススコアはEPS÷PSRの三年間の変化率、一株当たり売上の三年間の増加量、過去一年の株価の変化(モメンタム)を利用して作られます。
一方、バリュースコアはPER・PBR・PSRを使って計算されます。
そして、グローススコア÷バリュースコアが小さい(バリュースコアがグローススコアより相対的に大きい)企業上位3分の1がIUSVに採用されます。
なので、バリュー要素が強くても、同時にグロース要素も強かったらIUSVには採用されないことになります。
そして、IUSVは 時価総額 × { バリュースコア / (グローススコア + バリュースコア ) } の大きさに従って加重されています。
いやもう、IUSVは面倒ですね。こんなに数字をいじくりまわしてなんの意味があるのかと問いたくなってきます。
しかし、よりちゃんとしたバリューETFを作るんだという意思は感じますので、許してあげましょう。
2 実績
ということで早速値動きを見ていきましょう。
赤線がSP500、黄色がVTV、青色がIUSVのチャートです。
うーん、これを見るとあまり値動きに差はありませんね。ただ、2015年以降はグロース優位時代だという風に言われている通り、バリュー系ETFの二つはSP500に対して劣後しています。
ただ、下図のようにITバブルの頂点あたりから比べてみると、今度はIUSV(青)がSP500(赤)に勝っていたりするので、結局はタイミング次第という風に捉えることもできます。
過去の成績を見て考えるよりも、自分の投資法により近いETFを選ぶという方がいいでしょう。
3 採用銘柄トップ10とセクター構成
VTV、IUSVの順に載せます。縦に長いですがご容赦ください。
セクター構成を見れば分かりますが、VTVとIUSVはかなり構成が違います。
どちらかと言えばIUSVの方がよりバリューっぽいと思います。
金融はリーマンショック以来ずっと、エネルギーはここ数年のエネルギー安で、調子が悪いセクターです。
IUSVはそれらのセクターが上位になっています。
一方VTVはここ数年好調のテクノロジーセクターが上位に来ていて、しかも組み入れ1位の銘柄があのマイクロソフトです。
マイクロソフトは確かにグロースではないかもしれませんがバリューかと言われると……。
計算方法の差が反映されている感じですね。
IUSVの計算方法だと、グローススコアが高いマイクロソフトは弾かれます。おそらくですが。
この両者だったらIUSVを買いたいというのが私の感覚ですね。
あと、両者とも金融セクターの割合が高いことを心配している人がいると思いますが、それは杞憂だと思います。
多分、リーマンショック時の金融セクターの惨状と人員削減などの暗いニュースが頭にあるのでしょうが、そういう実績が悪い企業達に投資をするというのがバリュー株投資ですからね。
おまけにも書いてますが、金融セクターはこれから調子がよくなることが予想されていますし、エネルギーセクターだって最近は資源価格が持ち直してきました。
未来はあまり暗くないでしょう。
4 取引できる証券会社
VTVは国内ではマネックス証券、楽天証券、SBI証券などで取引が可能です。
海外ではIB証券などで取引できます。
IUSVは国内での取り扱いがありません。
海外ではIB証券などで取引できます。
上ではIUSVのほうが好きと書きましたが、2004年以来の値動きが似通っていることを考えればVTVとIUSVの差はあまりないでしょう。
5 おすすめ度と私の評価
おすすめ度は1-5の範囲で言えば4です。
これらのETFはどちらもいいETFだと思います。実績も申し分ないですし。
しかし、どちらもSP500と同じような動きをしていることを考えると、まあわざわざ購入するほどもないかな……という感じです。なので4にしました。
IUSVもたまたま開始時期が良かっただけで、今から買ってもSP500をアウトパフォームする可能性は低いでしょう。
まあ、どちらも組み入れ銘柄数が十分にあるETFなので、なんとなく気分でコアにしてみてもいいとは思います。
おまけ:IUSVとセクターローテーション
長い記事ですがまだおまけがあります。
皆さんはセクターローテーションという投資法をご存知でしょうか。
前提として、それぞれのセクターには好調な時期と不調の時期があるというのがあります。
その上で、今好調なセクターに投資しようというのがセクターローテーションです。
例えば金融セクター。リーマンショックとその後の金利安の影響でずっと不調です。
しかし、金利が上がってくると金融セクターの調子が上がってくることが予想されます。
ちなみに、2018年は何回か利上げが行われると予測されています。
なので、ここからは金融セクターの調子がいいだろう……!と考えて金融セクターを買う訳です。
それがセクターローテーションです。
IUSVの組み入れ2位のエネルギーセクターについても、最近のエネルギー価格の回復によってこれから業績が回復すると予想できます。
とはいえ、そんなに難しく考えなくても、どのセクターにも好調不調の波があるなら最近不調のセクターはこれから調子がよくなると考えることもできます。
そういう意味で、IUSVはセクターローテーションを自動的にやってくれるETFという見方もできるかもしれませんね。
長い記事でしたが最後までお読みいただきありがとうございます。
何かございましたら気楽にコメントしてください。
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