あいうえです。今日はよく論争になる米国集中投資と国際投資の比較について、セクター投資の観点から見ていきたいと思います。
VTIやVTなどの、多くの企業にまとめて投資できるETFのサポートとしてセクター投資をする人は多いと思います。
人気どころで言えば生活必需品セクターやヘルスケアセクターでしょうか。
しかし、そこで問題が生じます。そう、バンガード社が提供している米国セクターシリーズと、ブラックロック社が提供しているグローバルセクターシリーズどっちがいいの問題です。
ブログとかを読んでいると、バンガード社が提供しているシリーズの方が人気みたいですが、今回はそれを検証していきましょう。
1 経費率
まず、経費率を比べてみましょう。
バンガード社の米国シリーズ:0.1%
ブラックロック社のグローバルシリーズ:0.48%
(どちらも2018年2月現在)
バンガード社の方が圧倒的に安いです。
ブラックロック社のシリーズは運用開始から10年以上経ってこの経費率なので、これからも低くなることが期待できません。
2 過去の実績
全部のセクターについてのグラフは流石に載せませんが、結果だけ述べますと、米国一国投資の方がいい成績を残しています。
じゃあ、米国に投資できるETFで決まりじゃん……と行きたいところですが、ここでもう一つ比べるべきものがあります。そう、組み入れ銘柄数です。
3 組み入れ銘柄数
まずはこの表を見てください。2018年2月現在の組み入れ銘柄数を載せたものです。
それぞれバンガード社、ブラックロック社のサイトをみて作りました。
バンガード社の米国集中シリーズの方がブラックロック社のグローバルシリーズより組み入れ銘柄数が全体的に多いです。
(電気通信セクターだけが逆です。また、どの程度多いかにもばらつきはあります)
情報技術セクターを見てみましょう。
米国投資の方はアメリカ時価総額ランキングTOP361社が含まれていて、分散投資のは世界時価総額ランキングTOP118社が組み込まれていることになります。
これは何を意味するのでしょうか?
小型株効果というものがあります。
小型株効果:
小型株は景気のいいときの株価の伸びは大型株を上回るが、不況時の減少幅も大型株より大きい
また、長期的には小型株が大型株をアウトパフォームしているとされる
おそらく、米国集中ETFが国際分散ETFをアウトパフォームしているのはこれが原因です。
(それと、ここ数年は米国経済が非常に好調でした)
経済が順調に成長しているときは、小型株を多く含むETFの方がパフォーマンスがいいです。しかし一方で、経済危機時の落ち込みもまた大きいです。
バンガード社が運用するセクターETFには小型株が少なからず含まれます。
一方、ブラックロック社が運用するグローバルな方は大型株しかありません。
(その傾向は電気通信セクターでも同じです)
4 まとめ
この記事で書きたかったのは、バンガード社が運用するETFの方がブラックロック社が運用するETFよりいい成績を残しているのは小型株効果の影響もあるんだよということです。
なので、セクター投資をする際にどちらを選ぶかというのは実際には小型株効果が将来も続くかを信じるか否かにも大きく影響されます。
(どうでもいいですが、私は信じてます。というか、小型株の方がリスクが高い分リターンが高いのは自然だとも思っています)
もっといえば、経済が過熱気味だなと思う時は景気後退時の下げ幅が大きい小型株を含まないブラックロック社のETFを選んだ方がいいでしょう。
私は米国集中派だから、国際分散派だから、ということ以外にも考慮するべき点があるのではないかということです。
もっといえば、経費率だけを見て決めるのはやめた方がいいと思います。
同じセクターETFといっても含まれている企業の種類は全然違いますので。
このことが伝わったならば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。