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スマートベータとは何か【スマートベータ連載一回目】


あいうえです。今回はスマートベータETFについて書こうかなと思います。カッコつけて記事名を「スマートベータ概論」とかにしようと思ったのですが、検索で引っかからなさそうなタイトルなので一般受けするタイトルにしました。

 

それと、最初は一つの記事にまとめようかなと思ったのですが、せっかくなので連載企画に挑戦してみようかなということでそうしました。

 

あと、連載にしとけば今日は何の記事書こうかなんて悩まなくてすみますし……。

 

今日はまず様々なスマートベータをざっとみて、明日以降はそれぞれのスマートベータを掘り下げていくという感じでやりたいと思います。

 

(内容の正確性には最大限の努力を払っていますが、誤った内容が記載されていたことによりいかなる損害が生じても責任を取りかねますのでご了承ください。また、内容はすべて個人の意見です)

1 導入

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私はいつもETFの紹介などをしているのですが、その時には連動先のインデックスの作れられ方(exどのような企業が選ばれるのか、加重方法はなにか)を書くようにしてきました。

 

それはやっぱり、インデックス投資といってもそれくらいは理解すべきだという思いがあったからです。

 

インデックス投資の主流は、昔でも今でも市場全体を時価総額で加重したインデックスへの投資です。

 

TOPIXやSP500などのインデックス投資界で人気の指数は時価総額加重ですし、米国株ブロガーから圧倒的な支持を集めるあの超有名大人気ETF VTI・VTもそうです。

(日経225やNYダウはインデックス界ではあまり人気ではありません。日経平均株価もNYダウも所詮日経新聞やらダウジョーンズインデックス社とかいうようわからん企業が独断で選んだ企業の株価だという考えがあるのでしょう)

 

まあ、SP500もそういう意味ではようわからん企業が選んだ500社で構成されているのですが、500だったらいいかな……という感じでアメリカ国民を中心に許している感じですね。

逆に日本の投資家からはVTIの方が支持が高いような気もします。

 

日本における日経平均とTOPIXの関係に似ています。日本人はなんだかんだ日経平均が好きですが、海外からはTOPIXの方が人気です。

 

でまあ、なぜ時価総額加重が採用されているのかというのは誰しもが一度疑問に思うはずです。

 

そんなに引っ張ることもないので答えを書きますと、それは、みんな大好き経済学様が時価総額こそが企業の価値を正しく表したものとしているからです。効率市場仮説といいます。

 

さらに、時価総額加重で作られたインデックスに投資するのがもっとも効率がいいとまで言っています。

 

しかし、そんなことはないという一派が存在します。

 

そういう人たちの主張はこんな感じです。

 

時価総額なんてあてにならない。

 

本当に時価総額が企業の価値を正確に表しているのならバブルなど起きないはずだ。

 

結局時価総額なんて投資家心理で大きくゆがんでいるもので、もっと適切な判断基準が存在するはず。

 

じゃあ時価総額以外の判断基準を用いたインデックスを作りましょということでできたのがスマートベータです。

(それに連動するETFは数多くあります)

 

名前にスマートとかつけてるあたりにこう、自信というか、傲慢さが見えますよね。

 

2 スマートベータの定義

 

世の中にはスマートベータ委員会なんてものは存在しないので、定義はあいまいです。

 

なので、この記事での定義は以下の通りにします。一般のスマートベータの定義に比べればかなり範囲を広くしています。

 

1 市場全体を対象にしたインデックスではないこと

 

2 時価総額加重でないこと

 

3 1と2のいずれかを満たしていること

 

 

いずれかってのが大事です。つまり、この記事ではVTI・VTなどが参照しているもの以外はすべてある種のスマートベータだということにします。

 

(VTIはアメリカだけに投資するから厳密には1を満たすじゃないかという話はありますが、国を選ぶという作業は1に含まないものとします)

 

この定義的には日経225もSP500もスマートベータですね。

 

普通は、ラッセル2000などの小型株に投資するETFはスマートベータには含まないです。それは小型株・中型株・大型株という分類自体が時価総額を基準にしたものだからです。

 

しかし、時価総額の「小さい」企業という分類をした以上、広義のスマートベータETFと呼んでも差し支えはないと思います。

 

3 様々なスマートベータ

ということで、ここではとりあえず一通りのスマートベータとその考えを紹介しようと思います。私は専門家ではないので、表面をさっとなぞったような内容になってます。

 

1 小型株(サイズ)

小型株は歴史的に大型株より高いリターンをもたらしてきました。

 

2 バリュー株

市場には、その企業価値が不当に低く評価されている株式が多く存在します。それらの株式を購入することは高いリターンをもたらすとされています。

 

一般に、PERやPBRが低い企業への投資を指します。

 

3 グロース株

 日々成長する企業の株価は、成長が鈍化した企業の株価より大きく成長するという考えです。

高いPERを正当化できるほどの成長率を残し続けられるかがカギとされています。

 

4 セクター投資

世の中には成長しやすい業種としにくい業種があります。

しやすい業種に重点的に投資することでより大きなリターンを得ることができるのではないでしょうか。

また、セクターによって得意な時期が違います。時期に合わせてセクターを変えていく方針もいいでしょう。

 

5 低ボラティリティ

 値動きの少ない株式は、不思議なことに低いリスクだけでなく高いリターンをも生み出します。

低リスクと高リターンという二つを同時に実現できるなんて夢のようではありませんか!

どことなく怪しいにおいがします……。

 

6 クオリティ

 健全な成長は健全な財務体質にこそ宿ります。長期的には健全な企業体質こそが報われるのです。

財務レバレッジが低く、安定した成長をしている企業のことを指すことが多いです。

 

7 モメンタム

 ここ最近調子のよかった株式は、これからの調子もいいと過去のデータが述べてます。

 

8 配当

高い配当金をもとにした配当再投資戦略は高いリターンをもたらすってシーゲル先生が言ってました。

 

9 均等配分

均等配分にすることで、小型株と大型株のいいとこどりを目指します。

 

10 マルチファクター

一つの基準で選ぶことは危険です。それぞれの基準を緩めてでも複数の条件を企業に課したほうがいいのです。

(一般にマルチファクターと言われれば3つ以上の基準をもとにしていることが多いです。2つの場合は「小型クオリティ」のようにただ単純に2つ繋げた名前が付けられることが多いです)

 

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一つ注意してほしいのは、スマートベータは時価総額を一切使用していないわけではないということです。

 

配当系スマートベータでも、高い配当利回りを持つ企業を時価総額加重するETFがあります。一方、配当金の額で加重するETFもあります。

 

スマートベータを作る際には「どの企業を組み入れるか」と「組み入れ割合をどう決めるか」の二つを決めるのですが、前者には様々な条件を課す(PERが低いなど)一方で、後者は普通に時価総額加重ですよというスマートベータは少なくありません。

 

一方、前者にはテキトーに全部の銘柄を組み込んで、加重方法だけ配当加重にするみたいなスマートベータもあります。

 

4 スマートベータはほぼ必ず時価総額加重をアウトパフォーム「していた」

 

「していた」ってのが重要ですね。要は、過去のデータを使ったバックテストでは、ほぼすべてのスマートベータが普通の時価総額加重をアウトパフォームしています。

 

当然です。過去のデータではアウトパフォームしていたからスマートベータに選ばれているのです。

(グロースはアンダーパフォームしてね?という声が聞こえますが、まあそもそもグロースはスマートベータの仲間としてカウントされないことが多いです)

 

例えば、銘柄コードに「4」が入っている企業は縁起が悪いから成績が悪いはずだみたいな仮説をたてて検証するわけです。

 

で、その結果それが正しいとわかればそれが新たなスマートベータとして採用されるわけですね。

 

これを読んだ人は多分、縁起が悪いとか(笑)んなわけあるか!と思っていると思います。

 

しかし、スマートベータは少なからずこれと同じです。

 

あくまで過去において有効だった戦略を使っているだけです。

(一応理論的な裏付けが少しはありますが)

 

5 万能なスマートベータは存在しない

これはさすがに共通認識といってもいいと思います。

 

要は、常に好調な戦略は存在しないということですね。

 

2017年でいえば、グロース株やモメンタム戦略は調子が良かった一方で配当戦略は調子が悪かったです。

 

しかし、グロース株はバブルになってしまうと崩壊時に痛い目を見ます。ドットコムバブルの教訓です。

 

そして、景気が悪くなると配当やバリュー系の戦略が一気に存在感を増してきます。

 

ただ、不況・好況という景気のサイクルを何度か経た後ならばどの戦略が一番いいのかというのはある程度分かるのではないかと思います。

 

つまり、長期的にははっきりと明暗分かれる感じになっているんじゃないかなということです。

(当然、長期的には普通の時価総額加重が一番という可能性も十二分にあります)

 

スマートベータの歴史はなんだかんだでまだ浅いですし、バックテストした期間もお世辞にも長いとは言えませんので……。

 

 

6 スマートベータはなぜ優秀な成績を収めてきたのか

これは難しい話だと思います。私もいくつかの説明の仕方を見たことがあります。

 

効率市場仮説は間違いであり、スマートベータこそが正しいという説。

 

これを支持するならば、これからもスマートベータは時価総額加重をアウトパフォームすることになります。効率市場仮説はあくまでも「仮説」の域をでていないものです。

 

スマートベータはアノマリーのようなものであるという説。

 

アノマリーは株業界には多くあります。夏枯れ相場とか、最近ですと月初めの日経は上がるみたいなものでしょうか。これもある意味スマートベータを支持する考えです。

 

スマートベータの過去の成績がよかったのはたまたまだという説。

 

何かしらのスマートベータがいい成績を残していたのは過去のある特殊な状況によるもので、これからも同じ状況が続くかはわからない以上時価総額加重を使うべきだという主張によく使われます。

 

例えば直近ではリーマンショックがありました。

 

その時期のデータを使ってバックテストすれば、ドローダウンが小さいディフェンシブ銘柄を多く保有するインデックスが優秀ということになります。

 

しかし、それはあくまでたまたまリーマンショックがあったから優秀なだけで、今後リーマン級が何十年も来なかった場合に本当に優秀な戦術になりうるか怪しいですよね。

 

じゃあリーマンショック級はいつくるのか……なんて考え始めると泥沼ですので絶対やめましょう。

 

効率市場仮説は長い目で見たら正しいが、短期的にはしばしば成立しない。そしてスマートベータはその歪みを取りに行くアクティブ運用の一種であるという説。

 

効率市場仮説が短期的には成立しない(バブルなど)というのは正しいように思えます。 

 

というか、市場が企業の価値を常に少しの狂いもなく正確に織り込んでいるというのはさすがに無理があると思います。

 

なので、そこに生じているズレを取りに行くのがスマートベータという解釈はできます。そうなると問題はそのズレがどれくらい大きいのかということになります。

 

また、スマートベータは運用ルールを決める際にかなり人間の主観が入ってしまうため、アクティブ運用の一種であるというのは強ち間違っていません。

 

いずれの説明もある程度説得力があると思います。

 

この連載でこれが答えだぁー!みたいなことをする予定はありませんが、次回以降これらの考えを念頭に、いくつかのスマートベータを見ていきながら、ヒントを探ってみたいなと思っています。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

何かありましたら気軽にコメントしてください。

 

こちらは連載記事がまとまってるページへのリンクになります。

 

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