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クオリティについて【スマートベータ連載五回目】


あいうえです。今日はクオリティに注目したスマートベータについて書こうと思います。

 1 株のクオリティって?

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まず、クオリティってなんでしょう? 日本語で言えば「質」ですが。

 

クオリティの高い企業と言った時に、どんなのを想像しますか?

 

定まった定義があるわけではないのですが、クオリティを構成する要素をいくつか書いていきます。

 

1 ROE

 

まず考えられるのは、利益の多い企業の方がクオリティが高いという説ですよね。 確かに、100万円稼いでいる企業より1億円稼いでいる企業の方がよさそうです。

 

でも、これはあくまで「量」の話で、「質」の話じゃないですよね。

 

少し条件を加えましょう。

 

A社は100万の資本をもとに100万円稼ぎました。B社は1兆円をもとに1億円を稼ぎます。

 

どちらがよりクオリティが高そうですか?

 

……まあ、質の話ですから、A社ですよね。効率よく利益を出しているということでA社の方が質が高いといえます。

 

一般に、どれだけ効率よく利益を出せるかというのを示す指標としてROE(株主資本利益率)というのが使われます。ROEは一般に、純利益÷株主資本で求められます。

 

今のA社の方が効率よく利益を出しているという話はつまり、A社の方がROEが高いと言い換えることができます。

 

ということで、ROEの高い企業はクオリティが高いと言っていいです。

 

2 負債自己資本比率

 

じゃあ、次は借金を見てみましょう。

 

借金をあまりせずに利益をあげられる企業はクオリティが高い!

 

……という話では残念ながらありません。

 

企業って借金してなんぼです。

 

借金が多すぎる企業はさすがに駄目ですが、少なすぎる企業もそれはそれでいけません。

 

ほどほどには借金するべきなんですよね。

 

ということで、どれくらい借金してるかを表す指標として、自己資本に対して何倍借金しているのかを表す負債自己資本比率というものがあります。

 

これは単純に、ちゃんとほどほどの借金をしてることの確認に使えます。

 

しかし、それ以外にもう一つ大事な役目があります。

 

ひとつ前に紹介したROEを思い出してください。ROEって純利益÷株主資本でした。

 

でまあ、ここでは便宜上株主資本=自己資本とします。実際にこの二つの数値が大きく異なることはないようです。

 

またA社とB社の例えを出しましょう。

 

A社は100万円の自己資本をもとに1兆円借金して、計1兆100万円を使って100万円稼ぎました。

B社は1兆円の自己資本をもとに1兆円借金して、計2兆円を使って1億円稼ぎました。

 

どっちの企業の方がクオリティが高いですか?

 

ROEだけみたらA社でした。でも、実際にクオリティが高いと言えるのはB社ですよね。結局、効率よくお金を稼いでいるのはB社というオチでした。

 

ということで、ROEには借金しまくれば高くなるという罠があるんですね。

 

それを回避するためにも負債自己資本比率は使えます。

 

3 利益の安定性

 

毎年100万円稼げる企業と、1円も稼げない年と200万稼げる年が交互に来る企業があったとしたら、どちらの方がクオリティが高そうですか?

 

どう見ても前者ですよね。ということで、利益が安定している企業の方がクオリティが高いと言えます。

 

4 「正しい」コーポレートガバナンス

 

ちょっと皮肉を込めた小見出しにしました。

 

まあ要は、環境に配慮しているとか、ポリコレに配慮している企業の方がクオリティが高いという話です。

 

ですが……実際にそれが儲けに繋がるかとなると話は別です。

 

正の相関があるという話もありますが、自分は正直半信半疑と言ったところですね。

 

しかし、投資において自己の利益の最大化を目標にする必要は必ずしもありませんからね。そういう企業をぜひ応援したいということでこういうのを気にしてもいいとは思います。

 

利益の最大化以外も目的に据えることができるというのは、個人投資家の数少ないメリットだと思うので、そういうのも悪くないと思うんですけどね。

 

実際のクオリティ投資

 

ここでは4つ紹介しましたが、実際にスマートベータでクオリティと言われたときに使われる指標は上の3つ「ROE、負債自己資本比率、利益の安定性」だけだったりします。

 

この3つを総合的に判断して高い評価を得られた企業に投資するのがクオリティ投資となります。

 

最後のやつは、クオリティ投資というよりはテーマ投資みたいな感じで別枠として扱われることが多いですね。

 

参考:https://www.blackrock.com/investing/products/product-list-fund#!type=ishares&tab=overview&view=list&fst=50586

 

ブラックロック社にはありませんが、世の中には男女平等系もあります。

 

あとは、他のファクターと一緒に使われることも多いです。

 

小型クオリティみたいな感じで。結局クオリティってファンダメンタル分析してるわけですから、他と組み合わせやすいのです。

 

で、もはやお約束ですが、クオリティが高い企業はリターンがいいとされています。

 

クオリティが高いだけあって、特に景気後退時のパフォーマンスが比較的よいとされています。下がるのは避けられませんが、下げ幅が小さいということで。

 

あとは、財務レバレッジが小さいということで金利リスクも抑えられます。

 

 とはいえ、別のと組み合わせた時に相乗効果でさらに追加リターンが得られるかはよくわかりませんね……。

 

クオリティは買いなのか

 

個人的には正直信頼していないスマートベータになりますね。

 

例えばROEだったら、業種によってそもそも高められるかで違いが出てきそうだと思うんですよね。それを比較して意味があるのかなーとか思ったり。

 

まあ、そう思う人が多いのか、ブラックロック社のQUALではセクター比率が時価総額加重のそれと大きくずれないように調整してたりします。

 

(ちなみに、ウィズダムツリー社のはそんなのおかまいなしですね。こちらのはグロースクオリティなのでそもそも単純なクオリティではありませんが)

 

調整してるのがあるならそれでもいいじゃんとはなるんですけどね……。

 

それでも、ROEが高い企業はリターンが高いと有名になるとそういう企業が割高になりそうっていうのがあって正直……という感じですね。

 

そういう意味ではPERだけを指標にしたバリューや、他には小型系も同じですね。そういう意味でこれらもどうなんだろなあと思います。

 

それに比べると低ボラティリティとかモメンタムはそういうのに影響されにくいという意味で強みがあります。

 

低ボラティリティ系は、多くの買いが入って市場平均以上に上がった株は次のリバランスで除去されますから。

 

話がそれましたが、クオリティはこれで終わりにしたいと思います。

 

クオリティはスマートベータ界ではそこそこ人気なので、結構見る機会が多いと思います。実際、ここ数年でのパフォーマンスはSP500より良かったりします。

 

日本で言えば、日経400なんかもROEを重視してるということでクオリティ投資と言えますね。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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