どうも、あいうえです。
今日はファクター投資におけるクオリティを簡単に解説しようと思います。
株のクオリティって?
まず、クオリティってなんでしょう?
日本語で言えば「質」ですが、クオリティの高い企業と言った時に、どんなのを想像しますかね。
……もちろん人それぞれだとは思いますが、学校の授業をしたいわけでもないのでここは皆さんの意見を聞いたりはせずに、一般的なクオリティファクターの構成要素を挙げていこうと思います。
1 ROE
一つ考えられるのは、単純に利益の多い企業の方がクオリティが高いという説ですよね。 確かに、100万円稼いでいる企業より1億円稼いでいる企業の方がよさそうです。
でも、これはあくまで「量」の話で、「質」の話じゃないですよね。
少し条件を加えましょう。
A社は100万の資本をもとに100万円稼ぎました。B社は1兆円をもとに1億円を稼ぎます。
どちらがよりクオリティが高そうですか?
……まあ、質の話ですから、A社ですよね。効率よく利益を出しているということでA社の方が質が高いといえます。
一般に、どれだけ効率よく利益を出せるかというのを示す指標としてROE(株主資本利益率)というのが使われます。ROEは一般に、純利益÷株主資本で求められます。
今のA社の方が効率よく利益を出しているという話はつまり、A社の方がROEが高いと言い換えることができます。
ということで、ROEの高い企業はクオリティが高いと言っていいです。
2 負債自己資本比率
次は借金を見てみましょう。
借金をあまりせずに利益をあげられる企業はクオリティが高い……という話ではありません。
企業って借金して投資してなんぼです。
借金が多すぎる企業はさすがに駄目ですが、少なすぎる企業もそれはそれでいけません。いい機会が転がってるのに投資をしない企業は駄目です。
ということで、どれくらい借金してるかを表す指標として、自己資本に対して何倍借金しているのかを表す負債自己資本比率というものがあります。
これは単純に、ちゃんとほどほどの借金をしてることの確認に使えます。
しかし、それ以外にもう一つ大事な役目があります。
ひとつ前に紹介したROEを思い出してください。ROEって純利益÷株主資本でした。
でまあ、ここでは便宜上株主資本=自己資本とします。実際にこの二つの数値が大きく異なることは少ないです。
またA社とB社の例えを出しましょう。
A社は100万円の自己資本をもとに1兆円借金して、計1兆100万円を使って100万円稼ぎました。
B社は1兆円の自己資本をもとに1兆円借金して、計2兆円を使って1億円稼ぎました。
どっちの企業の方がクオリティが高いですか?
ROEだけみたらA社でした。でも、実際にクオリティが高いと言えるのはB社ですよね。結局、効率よくお金を稼いでいるのはB社というオチです。
ROEには借金しまくれば高くなるという罠があるので、それを回避するためにも負債自己資本比率は使えます。
3 利益の安定性
毎年100万円稼げる企業と、1円も稼げない年と200万稼げる年が交互に来る企業があったとしたら、どちらの方がクオリティが高そうですか?
どう見ても前者ですよね。ということで、利益が安定している企業の方がクオリティが高いと言えます。
実際のクオリティ投資
以上3つ「ROE、負債自己資本比率、利益の安定性」がクオリティファクターによく使われるファクターです。
これを総合的に判断して高い評価を得られた企業に投資するのがクオリティ投資となります。
ただ、実はクオリティってちょっとよくわからないファクターだったりします。他のファクターに比べていまいちぱっとしない感じ。地味というか。
しかし、クオリティは景気の悪化には強いファクターだと言われています。財務の健全性などを見ているわけですからね。
ミニマムボラティリティがテクニカルにドローダウンを減らしてるのに対してファンダメンタルズ分析によってドローダウンを減らしてるのがクオリティという認識でいいかと思います。
また、個別でパッとしないのは皆思っているようで、個別よりもマルチファクターでの人気が高い印象があります。こう、モメンタムみたいに尖ってるファクターのカバー役というか、脇役というか。積極的に前に行きたがる他のファクターを抑える手綱みたいなイメージです。
そういう意味では私好きですね(笑)脇役キャラが好きなんです。
というところで簡単な解説は終わりです。
お読みいただきありがとうございました。