どうも、あいうえです。
今日は世界中のエネルギーセクターに投資するETFを紹介しようと思います。
エネルギーセクターは他のセクターに比べてユニークな特徴を持っているので、うまく使えば投資成績の向上につながる一方で、きちんと特徴を把握しないまま投資するとその値動きに翻弄されてしまいます。
そんなエネルギーセクターを使いこなすために色々見ていきましょう!
1 エネルギーセクターは原油セクター
まずこれは押さえておくべきことなのですが、エネルギーセクターでいう「エネルギー」というのはまず間違いなく原油のことです。
正確には原油・ガスですが、まあ、ほとんど原油です。
エネルギーという名前だけみると、例えば石炭とかも思いつきますがそれは素材セクターですし、電気というエネルギーに関して言えば発電ということで公益セクターに属します。
ここでのエネルギーという語の示す範囲は非常に狭いです。私も最初は勘違いしていたので、皆さんも注意してください。
ということで、そんなエネルギーセクターに属する企業の株価の動向というのは原油価格に非常に大きく左右されます。
原油価格が上がれば業績が改善されますし、原油価格が下がれば業績は悪化するので当然と言えば当然ですね。
つまり、エネルギーセクターに投資するためには原油価格の決まり方について学ぶ必要が出てきます。次項ではそれを見ていきましょう。
2 原油価格の決まり方
原油はコモディティなので、基本的には需要と供給によって定まります。
コモディティ界でも投機的な動きが比較的大きい分野ではあるのですが、結局その投機も需要と供給の力関係で決まってくるので、需要と供給を学ぶことは大切です。
それぞれ分けてみていきましょう。
需要面
需要面を決めるのはもっぱら景気です。
景気が良くなれば経済活動が活発になるので原油価格が上がりますし、景気が悪化すると経済活動がしぼむので原油価格は下がります。(特に中国の動向は大きいとか)
コモディティ特有の季節性の話として、冬季に暖房需要によって原油価格が上がりやすいという特徴もあります。
また、シェールガスや再生可能エネルギーといった代替エネルギーの動向も当然原油価格に影響を及ぼします。2015-16年にかけてシェールガスの影響で原油価格が歴史的な暴落したのを知っている方も多いでしょう。
もっとも、再生可能エネルギーについては長年期待されながらも普及していないというのが現状ですが、再生可能エネルギーも利用コストの低下などの技術革新が起こっているため、今後も同じ状況が続くというのは楽観的過ぎる気がしますね。
供給面
一方、供給面を決めるのは産油国の動向です。
日本的には中東諸国が真っ先に頭に上がりますが、アメリカ・ロシア・中国・インドネシア・メキシコ・ブラジル辺りも産油国だったりします。
昔はアメリカは一大輸入国だったのですが、近年は産油量が急激に増えており近いうちに輸出国になるとまでされています。
この産油国の動向というのは結構難しくて、分かりやすいのは事故などによる一時的なショックですが、なんだかんだ言って影響を与えなかったりするので微妙です。
それよりも注視すべきは政治的な動きでしょう。
中東は政治的な不安定さに事欠きません。アメリカと仲の悪い国達が不安定になりがちなのはともかくとして、王権争いだのなんだのですーぐ荒れます。
こういう政治的なものって予測がしづらいのでもうどうしようもないと言えばどうしようもないのですが、まあ、ニュースには触れておくようにしましょうとしか……。
比較的平和に近い系の政治系といえばOPECの動向ですが、非OPEC国の産油量が増えたことによりOPECの影響力は近年低下されていると言われています。
3 エネルギーセクターの特徴
ということで、これまではエネルギーセクターは原油価格に大きく影響されるという話と、その原油価格の決まり方の話をしてきました。次はエネルギーセクターを見ていきましょう。
まず、エネルギーセクターは高配当という特徴も持ちます。
今回紹介するIXCも2.95%(2018年9月現在)と高い水準を誇りますね。3%言っていないので見栄えは悪いですが、ETFでこの高配当は珍しいです。
莫大な投資を必要とする産業ではありますが、その分莫大な利益が得られるんでしょうね……。
また、原油への投資と原油関連株の投資には大きな違いがあることを抑えておく必要もあります。
原油関連株はあくまで企業への投資なので、企業に問題(事故など)があった場合に、原油価格に関係なく株価が下がることがあるというリスクがあります。
ETFという形であれば分散されているので気にしなくてもいいですが、個別株で投資する際には注意してください。
4 IXCの国別構成と実績
ブラックロック社より引用
まずは国別構成ですが、まあ、こんな感じです。
何度も書いていますがエネルギーセクターは原油価格による影響を強く受けるので、正直なところ国別構成なんてどうでもいいです。参考までに載せただけです。
次は実績を見てみましょう。青が今回のIXC、水色がアメリカのエネルギーセクターに投資するVDE、紫がVTです。
yahoo finance より引用
IXCが一番成績が悪く、VTの成績が一番いいですね。
まず、エネルギーセクターの成績が悪い原因ですが、これは単純に原油価格が低迷しているからです。シェール革命の影響です。逆に、コモディティ価格が高騰したリーマンショック以前は逆にものすごい成績が良かったです。
世界中の国々に投資するIXCが米国一極集中のVDEに負けている要因ですが、ある程度は下の記事に書かれている内容で説明できます。
後は単純にアメリカ経済が好調だったからだと思います。私は国際分散投資派なのでIXCの方が好きですが……。
まとめ
ということで、エネルギーセクターに投資するETFの紹介でした。
エネルギーセクターはある程度は景気に反応するセクターですが、それ以外にも反応する要素が多いため他セクターとは違った動きをしやすいです。
そういう意味ではポートフォリオの分散度を増すのに使えますし、間接的に原油に投資していることになるのでコモディティ投資の代替としても使えます。
また、高配当ということで高配当戦略にも使える使い勝手のいいやつです。
ここ数年は原油価格の低迷の影響を受けてしまい低迷してますが、逆に言えばそれが原因である以上過去の成績だけをもって「エネルギーセクターは投資には値しない」と考えるべきではありません。
原油価格が回復すれば投資に値するセクターに早変わりです。
一度エネルギーセクターへの投資も検討してみてはいかがでしょうか?
お読みいただきありがとうございました。
他記事宣伝
途中で高配当という意味で似ていると紹介した公益セクターの紹介です。
個人的におすすめのセクターです。
これまでに紹介したETFたち