どうもあいうえです。今日は、なんとも言えない「五年連続増配」を基準にしたETFを紹介します。
10年のVIG、25年の配当貴族に比べるとどうも短い感じがしますが、五年は五年でメリットがあるので、それを見ていきましょう。
1 DGROの作られ方
ということでDGROを構成する銘柄がどのように選ばれるのかを見ていきましょう。
1 最低五年連続増配している
2 配当利回り上位10%に入っていない
3 配当性向が75%以下
4 REITではない
この四つを満たす銘柄によって構成されています。
1はそもそもこのETFの中心となる要素ですのでスルー。
3は配当性向が高すぎてこれ以上増配余地がない銘柄を避けるためなのでしょうが、ちょっと厳しいかなという感じもします。
当然ですが「五年連続増配している」という条件は配当貴族銘柄も配当王銘柄も満たしているわけでして、配当王レベルの銘柄が配当性向75%超えただけで弾かれるのはどうなんでしょう?
まあ、自社株買いが盛んな今、配当性向が75%以上ってのは珍しいかもしれませんが。
そして2の条件も少し謎。ここでいう配当利回りは(去年の配当額 / 現在の株価 )×100で求められるものなので、急に業績が悪化した企業などをこの条件で弾くことができます。
とはいえ、結果的にAT&Tのような企業が弾かれてしまっているので、どうかなーという感じです。
(AT&Tの配当性向が75%以下であることは確認しています)
4はステートストリート社のETFなんかだとREITを気にせず入れていることが多いのですが、ブラックロック・バンガードの二社はこういうのにREITをあまり入れたがらないイメージです。
REITは基本的に高配当なのですが、値動きが激しすぎて不適当だと判断しているのでしょうね。
私もこれには賛成します。
2 組み入れ割合TOP10とセクター割合
では、そんなDGROの銘柄やセクター割合を見ていきましょう。
ブラックロック社より引用
ここまで
VIGに比べいかにも配当ETFらしい上位の顔ぶれです。
ちなみに、加重方法は単なる時価総額ではなく、配当総額と時価総額のハイブリッドです。
なので、時価総額の関係でVIGでは上位十銘柄に入れなかった企業も多めに組み入れられています。
配当ETFが好きな人は、VIGよりもこちらの方が見てて落ち着くのではないでしょうか?
VIGVIG言ってるけどVIGって何よという方はこちらをどうぞ
そしてセクター割合。
いやまあこれも特に触れることがないのですが、通信セクター0ってのが面白いですね。
通信セクターは高配当で有名なので、配当系にないというのはなかなか珍しいです。
3 実績
ということでそんなDGROくんの実績を見てみましょう。
あまり歴史のあるETFではないので、参考程度ですが……。
(それでもiShares Coreに選ばれているので経費率は0.08%とかなり低いです)
青がDGRO、水色がSP500、ピンクがVIGです。
yahoo finance より引用
ここまで引用
DGRO = SP500 > VIGですね。
ちなみに、配当も DGRO > DP500 = VIG なのでDGROがこの中では一番優秀ということになります。
短期的なものなのでなんともいえませんが、配当系ながら2017年のFANG全盛期にSP500についていっているのが驚きです。
組み入れ銘柄的にも少し意外です。
それに比べるとVIGはいかにも配当系らしい結果。
DGROは配当総額が組み入れ割合に影響するということで以前紹介した配当加重ETFのDLNと似ていますが、DLNは2017年はFANGに置いてけぼりを食らっています。
参照:
となると、なぜDGROは成績がいいのかという話になりますが、私の推測を書いておきます。
おそらく、五年連続増配というのがクオリティーファクターとしていい感じに働いたのでしょう。
確かに、五年連続増配というのは配当重視投資というよりクオリティー投資と言った方が近いかもしれません。
クオリティ投資自体はROAや財務レバレッジで行うのが主流ですが、連続増配もある意味クオリティと言っていいでしょうし。
まあ、いずれにせよ、これまでの実績自体は上昇相場でのものなので、下落相場での下落幅を見てみないと正確な評価は難しいです。
下落相場の成績次第ではとても魅力的なETFになるので、注視していきたいです。
4 取引できる証券会社
日本で取引できる証券会社はありません。
iShares 「Core」 シリーズなので遠からず日本でも取り扱いがあるのではと予想しているのですが……。
5 まとめ
最初このETFを見た時は正直「五年って中途半端じゃね?」って思っていたんですが、ふたを開けてみると無駄に優秀な成績を残しています。
加重方法のおかげで配当利回りも比較的高いですし、今のところIVVの完全上位互換と言ってもいいでしょう。
とはいえ、私自身はここ数年の好成績はたまたまなのではないかと思っています。
まあ、これからに注目しましょう。
お読みいただきありがとうございました。