とあるオタクの長期投資

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政府が補助金をバンバン出すのは……


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デフレ圧力なんじゃないかという仮説を思いついた。

 

そもそも物価の決定要因なんてのは多種多様すぎて人類に解明できるものではないのだけれど、ふと思いついたので書き留めておこうと思った次第である。

 

非常に単純な話である。ダンピングを知っているだろうか。

 

Wikipediaによるとダンピングとは

 

不当廉売(ふとうれんばい、英語dumpingダンピング)とは、市場の健全な競争を阻害するほど不当に安い価格で商品を販売すること。

 

と定義されている。では、本来なら倒産する企業に補助金を投入して生き永らえさせる行為は事実上のダンピングである。

 

もとから高い生産性を誇っていて、それでいて慢心することなくきちんと流動資産(現金)を保有しているリスク管理ができている企業があったとしよう。

 

より細かく書くと、今回のようなことが起きても売り上げが減らず、減ったとしても資金繰りに困らない程度か最悪キャッシュフローが赤字でも長期間耐えれるようなリスク管理をしっかりとしている企業である。もしくはその高い生産性を見込んでいざというときに融資をしてもらえる企業という設定でもよい。

 

このような企業にとって本来コロナショックは有利である。なぜならライバル企業が倒産するからだ。

 

これは消費者にとっても悪いことではない。質の悪い商品を売っていた企業が倒産して、質のいいものを売っていた企業が生き残るのだから。*1一般論として、生産性の低い企業の方から先に倒産するというのは妥当な仮定である。

 

そうなればその生き残った企業は残った需要を独占できるわけだからそれはインフレが引き起こされるはずである。そのようなインフレがいいものかはさておき、またそれが長期的に維持されるかはさておき生産性の高い企業が高い利益を得られるという非常に真っ当な結果が起きたことになる。

 

しかしその生産性が低いライバル企業に公的資金が投入され、結果として倒産しなかったらどうなるだろうか。そうなった場合にどうなるかは一意には定まらないが、一連の騒動を経ても需要も供給が変わらないと仮定した場合には物価は変動しないことになる。*2

 

果たしてどちらのほうが良いのかと言われたら答えは自明ではない。生産性がいいのは政府が補助金を出さずに生産性の低い企業が倒産した世界だろう。インフレが起きると予想されるのもそちらである。しかしそのような世界では一時的に雇用が失われるかもしれない。あー、それこそ、人生設計が狂って生涯所得が大幅に減る人は一定数出るだろう。*3

 

だがマクロの視点から、そして長期の視点からみれば生産性の低い企業が倒産する世界の方が自明によい。なぜそうなるのかは注釈に少しだけ理由を書いている。

 

もちろんそれを踏まえた上で政府が補助金を出すのを正当化することはできる。例えば今回のようにそのショックが甚大なものであると予想される場合には、生産性の高い企業まで倒産してしまうだろうし、生産性の低い企業とは言え雇用を生んでいるわけだからそれが全部潰れてしまって一時的に失業率が30%なんてなって治安が乱れてしまうかもしれない。そうなれば長期間に渡って不必要に経済が低迷してしまうだろう。

 

そう、例えば、薬を飲み過ぎて毒にしちゃったようなものである。いや、ダイエットをしすぎて栄養失調になってしまったという方が今回の場合は正しいかもしれない。

 

事実、リーマンショックは恒久的にGDPを一定水準押し下げたと言われている。

 

以上を踏まえて現在の政府の対応がどうなのかについて論じるにはデータが足りないだろう。データあったところで適切な財政支出がどれくらいかなどわかりようもない。

 

しかし、当然ながら過大な支出は過小な支出と同じように害をもたらすものである。なぜなら過大な支出によって結果的に社会の生産性が下がるルートは存在するわけで、そのルートの影響力は過大な支出が増えれば増えるほど大きくなるからである。(というより「適切な財政支出規模」という概念を仮定する地点で自明である)

 

しかし、あれも補償すべきこれも補償すべきという風に、補償範囲を拡大しようとする流ればかりが強いのは、まあ、致し方ないことなのだろう。日本は民主主義国家である。

 

このような視点から政府の債務とGDPを見比べてみるとまた面白いのかもしれない。*4

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*1:例えばA市とB市があってそれぞれに靴屋があったとしよう。どちらも同じ質で売っているがA市の靴屋の方が効率的な生産ができているので価格が安いとする。その場合B市の靴屋が倒産したらB市には靴屋がなくなるのでA市の靴屋が二号店をオープンすることになるだろうが、それはB市の市民がより安く靴を手に入れられることを意味する。よいことだろう。

*2:ちなみに供給が維持されたまま需要が減ってしまったらデフレ圧力になるだろう。

*3:とはいえ、先ほどの例で言えばB市に進出したA市の靴屋が新しい雇用を生むのでマクロ的に雇用はさほど減らない。

*4:かっこよく〆たいので本文での解説は省いたが、要するに政府支出が増えれば増えるほど政府の債務は増え、生産性が高まれば高まるほどGDPが増えるという話である。今回の支出額がどうなのかはさておき、過去がどうだったのかは明らかではないかと思っている。しかしまあ、なんというか、外食する人は元通りにならなかったのに飲食店の数はそのままで、そして反対側でIT人材が足りないと叫ばれてるなんてことにならないといいのだが。