とあるオタクの長期投資

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なぜPBR1以下は割安とされるのか【会計学の視点から】


 

お久しぶりです。あいうえです。

 

今日は投資初心者が最初の方に学ぶ「PBR1以下は割安」という言葉の意味、をちょっと会計学の視点も併せて解説していけたらいいなと思います。

 

 

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1 「PBR1以下」とはどのような状況なのか

 

貸借対照表というものがあります。

 

これは非常にシンプルなもので、片方に「企業が保有してる資産」を書き、もう片方に「企業の持っている負債」が書かれているだけのものです。そして資産-負債で表現される企業のネットの資産がいわゆる純資産です。

 

身近な例で言えば、銀行口座に10万円の残高があればそれが資産になりますし、来月に5万円のクレカの引き落としがあればそれは5万円の負債になります。その場合の純資産んは10-5の5万円ですね。

 

そしてPBRは「時価総額 ÷ 純資産」で計算されるもので、企業の価値が純資産に比べてどうかというのを表す指標です。

 

これが1以下というのは、純資産よりも時価総額が小さいということで、普通に考えれば何かがおかしい(間違っている)ということになります。

 

また、純資産の方はただの会計上の数字なので、粉飾決算がない限り間違っているのは投資家の企業価値評価である時価総額ということになります。よって一般論としてPBRが1を切っている株式というのは投資家が企業の価値を過小評価している、すなわち割安株ということになるわけです。

 

2 資産の部に計上されている数字の意味

 

しかしそれではあまりにお粗末というか、現実にPBRが1を切っている企業がゴロゴロしている現実を説明できないのでもう少し踏み込んだ議論をしていきましょう。

 

先ほどは、純資産(=資産-負債)は会計上の数字なので間違っていることはないと書きましたがそこに踏み込んでいきます。

 

ここで問題になるのは会計的な意味の「資産」のなんたるやです。

 

会計上の資産には実は二つの種類があります。一つは貨幣性資産、そしてもう一つは費用性資産です。

 

貨幣性の方はなんの問題もありません。銀行口座に残ってる預金残高と同じものです。

 

問題になるのは費用性資産の方でして、突然なんですけど今皆さんに「家にある冷蔵庫の価値はいくらですか?」と聞いたら困りますよね? それと同じように「あそこに建設された工場の価値はいくらですか?」というのは非常に答えづらい質問なわけです。価値があることは確かでも、その金額と言われると結構困りますよね。

 

もちろんいろんな解答例は考えられるわけですが、そこに踏み込むとブログでさらっと書ける範囲を超えてしまうので答えを書きますと、会計上の資産は一般に「その資産を取得するのにかかった支出の額」が評価額として書き込まれます。

 

10億円かけて建設した工場の資産価額は10億円になりますし、100万円で買った最先端のプリンターの資産価額は100万円です。

 

えっ、そんなのあり!?って思う人はまだ会計に犯されていないピュアな感性をぜひ持ち続けて欲しいところですが、一応理由がありまして、どういうことかとを先ほどの例で説明しますと「100億円以上の価値があると経営者が判断していなかったら100億円かけて工場建設しないですよね!?」というのが会計の理屈です。

 

言われてみればそうだなってなりますよね。普段の生活ならともかく、営利企業たる企業が購入したものは当然「得られる利益>購入費用」が前提にあるわけです。具体的には120億円の収益(=120-100=20の利益)が得られると思うから100億円もかけて工場を建設するわけです。

 

ここまでの知識を踏まえてもう一度PBR1以下の意味を考えてみましょう。

 

3 PBR1以下とは経営者と投資家の意見の相違である

 

僕は先ほど書きました。「100億円以上の価値があると経営者が判断していなかったら100億円かけて工場建設しないですよね!?」と。

 

そのために、100億円という建設にかかった費用が、経営者目線で考えた時に当該資産が最低限持っている価値として会計上は価額として書き込まれるという話でした。

 

つまりどういうことかというと、経営者が間違えることがあるんですよね。

 

もしかしたら、今後不景気などで100億円を回収できないかもしれない、80億円しか回収できなくて20億円の損失を出す可能性があるわけです。

 

なので、経営者の判断が間違っていると思う投資家からすれば、貸借対照表にある資産の額は間違っている(過大評価されている)、つまり純資産の額も過大評価されているということになります。

 

その場合には、その企業の時価総額が純資産より小さく評価されることがあります。時価総額というのは投資家の評価ですから、投資家が当該企業の資産価額を会計のそれより小さく見積もるということがあるわけです。

 

これがPBR1以下の企業のからくりです。

 

もちろん経営者と投資家の判断のどちらがあっているのかというのはケースバイケースです。

 

あの神の手をもつ市場が値付けを間違えるはずがないという主張もあれば、逆に投資家が知らない情報を持っているはずの経営者がそう簡単に間違えるはずがないという主張もありえます。

 

さいごに:より発展的な内容を求める方に

 

以上がPBR1以下の企業についての基本的な説明になります。

 

本記事で説明した内容はかなり基本的な内容にとどまります。それでも十分皆様のお役に立てたら嬉しいのですが、この記事で述べていない内容(減損会計・資本コストなどの話)もいくつかあるので、時間があったら書くかもしれません。

 

自分で勉強をしたい場合には括弧の中に書いたキーワードをググってみるか、会計学の入門書、もしくは簿記二級程度の勉強をしてみるとまた面白いかと思われます。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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