どうも、あいうえです。
今日は、たまには日本株のETFをということでMSCIジャパン高配当利回りETFを紹介しようと思います。普通に日本の証券会社で購入できるETFですね。
なんとこのETFが連動するインデックス、無駄に成績がいいです。
- 1 1478はMSCI JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD INDEX に連動するETF
- 2 MSCI JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD INDEXの作り方
- さいごに
1 1478はMSCI JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD INDEX に連動するETF
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回りETFはMSCI JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD INDEX に連動するETFということで、ここからはMSCI JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD INDEX を見ていくことにしましょう。
まずは皆さん気になるであろう成績をぺたり。
(MSCI diversified multi-factor indexes - MSCIググったらこのグラフが載ってるPDFは出てくるんですが、MSCIの公式サイトのどこにあるかはよくわからないので適当にリンクを貼ってますがお許しください)
すごくないですか。P/Eが8.65ですよ?先進国とは思えませんね。しかもFwd P/Eの方が高いというギャグ。お、成長性皆無か?
…………あ、そこも驚きだけどちょっと違う? そうそう、成績の話でしたね。
成績を見てみると2005-2018年の計14年中10年でベンチマークの時価総額加重インデックスをアウトパフォームしています。累計でももちろんアウトパフォーム。結構差がついていますねぇ。
また、使われている文脈は違いますが
バリュエーションは将来のファクターのリターンを説明するのか?(しないのか?) - MSCIという記事に出てくる日本の高配当ファクターの5年リターンの図を見ても時価総額加重インデックスを非常に高い確率でアウトパフォームしていることがわかります。
まあ、このインデックスのファクターエクスポージャー(下図)を見ると、それ高配当じゃなくてバリューファクターのおかげじゃねなんて思ってしまいますけどね……。
参考:バリューインデックスのファクター
こうしてみると、クオリティファクター分しか違いがないですね。ただ、実をいうと高配当ファクターはクオリティファクターを考慮している(後述)のでそれも自然だったりします。
2 MSCI JAPAN HIGH DIVIDEND YIELD INDEXの作り方
高配当インデックスの優秀さを見せつけて皆さんの興味関心を引いたところでこのインデックスがどのようにして作られているのかを見てみましょう。ETFの調査において最も重要な部分はここですからね。
The MSCI High Dividend Yield Index construction is based on a six -step process:
1 Defining the eligible universe
2 Applying dividend sustainability and persistence screening
3 Applying quality screening
4 Applying price performance screening
5 Including high yielding securities
6 Weighting the securities in an index
先ほどのリンクのHigh-Dividend-Yield-IndexのMETHODOLOGYには上のように書かれています。(数字は本ブログが勝手につけました)
順に見ていきましょう。
1 Defining the eligible universe
MSCI Japan Indexに含まれている銘柄(REIT除く)が本インデックスのユニバースです。ユニバースの良い訳が思いつかないのですが、雰囲気としてはユニバースに含まれる銘柄の中から条件を満たすものを選んで高配当インデックスを作るという感じです。
2 Applying dividend sustainability and persistence screening
配当の継続性を確保するために配当性向上位5%の銘柄及び5年間で一株当たり配当金が減少している銘柄を除外します。
3 Applying quality screening
ROE、収益の変動性、D/Eレシオによって求められるクオリティスコアが負の銘柄を除外しています。
一応本ブログで簡単な解説をした記事があります(宣伝)
クオリティファクターについての簡単な解説 - とあるオタクの長期投資
4 Applying price performance screening
過去一年のリターンが負であり、かつ下位5%に属するものを除外しています。それだけ下がる銘柄はかなりの悪材料が織り込まれており配当が危ういという風に考えているかもしれませんし、モメンタムを意識している部分もあるでしょう。
5 Including high yielding securities
2-4の条件によって除外されておらず、かつMSCI Japan Indexの配当利回り×1.3を超える配当利回りを持つ銘柄を選び出します。
6 Weighting the securities in an index
5で選び出された銘柄は時価総額をもとに加重されますが、単一銘柄で5%を超えないように調整されます。
そこそこ長かったですが、バリュートラップならぬ高配当トラップにかからないように結構気を付けて指数が作られていることが分かりました。条件が多いだけで複雑じゃないのも好印象です。
ちなみに2019年1月現在の構成銘柄TOP10は以下の通り。全部で50銘柄くらいです。
通信・タバコ・商社などが入っており、結構納得感のある企業達だと私は思います。
配当利回りはおおよそ3%弱。元のインデックスのファクトシートには4%越えの利回りが書かれているのですが、その差の原因は不明です。というか流動性のせいか知りませんが元のインデックスと微妙に構成銘柄が違っていたり。大差はないでしょうが、そこは直して欲しいですね……。世界最大の資産運用会社なんじゃないの?
さいごに
ということでiシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回りETFの紹介でした。
悪くないどころか結構いいETFでしたね。他の地域と比べても(少なくとも過去の日本は)高配当ファクターが有効な地域なようです。
これからも有効かどうかは分かりませんが、投資を検討するに値するETFであることは間違いないでしょう。
お読みいただきありがとうございました。