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【地味だけど】マルチファクターETFを比較してみる【LRGF・QUS・VFMF】


どうも、あいうえです。

 

結構昔、スマートベータ系を紹介していた時期に私はマルチファクター系は嫌いと述べていた記憶があるのですが、なんか近頃は好きになってきまして、なのでこの記事ではマルチファクター系ETFの比較をしてみようと思います。

 

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1 マルチファクターETFとは

 

最初に軽くマルチファクターETFの紹介をしておきます。

 

まず、株式にはファクターという考えがありまして、モメンタムとかバリューとかクオリティとかいうのがその代表例です。

 

一般にそのようなファクターについては「高いといい」と思っていただければ問題ないのですが、マルチファクターETFというのは「じゃあファクター同士を組み合わせればさいつよじゃね?」というシンプルな発想で作られたものです。

 

実はスマートベータ界においてマルチファクターETFは人気がなくて、本日比較するものも流動性に難があったりするのですが、まあそこらへんは注意点としてあります。

 

では見ていきましょう。

 

注:面倒なのでアメリカ株のマルチファクターだけを紹介していますが、バンガードの以外は先進国版や新興国版があります。

 

2 iShares Edge MSCI Multifactor USA ETF (LRGF)

 

まずは(おそらく)マルチファクター界の最大手、iSharesシリーズから来ましたマルチファクターETFです。

 

こちらのETFはクオリティ、バリュー、サイズ、モメンタムの4つ、つまりは財務の健全性・割安度(非割高)、小型、直近の成績から株式を絞り込んでいます。

 

とはいえ、小型株の組み入れ割合は多くありません。せいぜい超大型株がいないくらいでしょう。

 

実は小型株マルチファクターETFも用意しているので、ブラックロック的には小型株はそちらでカバーしてよという感じなのでしょうね。

 

また、こういうのは会社によって算出方法が異なるので参考値ですが、PERは16.03、PBRは2.49、配当利回りは1.57%です。(2018年11月現在。すべて実績。今後も同様)

 

同じブラックロックの米国株ETFであるITOT(VTIみたいなもの)はPERが22.98、PBRが3.06、配当利回りが1.66%なので、LRGFは確かに目論見通りPERとPBRが低くなっているようですね。

 

さて、構成銘柄は仕組み上知らない銘柄が多くなりがちなので飛ばすとして、次はセクター構成を見ていきましょう。

 

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あれ、間違えてSP500のやつ持ってきたかなと思ってしまうくらいにSP500のと似ているのですが、それは仕様で、ブラックロックのスマートベータが採用しているインデックスは(余計なリスク・ファクターを取らないためという理由で)株式市場全体のセクター構成から大きく乖離しないようになっています。

 

これについても微妙に違うと言えば違うのでSP500との比較をしたかったのですが、LRGFのセクター構成は古いバージョンなので比較ができません……。申し訳ありません。

 

最後にバックテストの成績を見てみましょう。

https://www.msci.com/documents/10199/15f5d610-5ecc-4bc5-850c-5a9857928267

 

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こういうのを見ると怪しいなと思ってしまうのは私だけですかね(笑)

全体的に普通の株式市場をアウトパフォームしています。

 

とはいえ、基本的には市場全体に連動するのがスマートベータの特徴なので(スマートなベータですからね!)ドローダウンはしっかりと食らっていますし、なんならリーマンショック時のドローダウンはわずかに市場に勝っています。

 

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3 SPDR MSCI USA StrategicFactorsETF (QUS)

 

続きましてはこちら、ストラテジックなんて洒落た名前をつけているSPDRシリーズですね。

 

こちらはクオリティ・バリュー・低ボラティリティの3つの要素を使っています。

 

LRGFに比べてサイズ・モメンタムが消えて代わりに低ボラにした感じですね。サイズ・モメンタムにはボラティリティを大きくする作用がある一方で、低ボラは文字通りボラティリティを抑えるので、より安全志向なマルチファクターETFだということができるでしょう。

 

ちなみにQUSは加重方法が実は少し変わっていて、LRGFが「4つのファクターから株を絞り込む」のに対して、QUSは「クオリティインデックス・バリューインデックス・低ボラティリティインデックスを均等加重する」という作られ方になっています。雰囲気としては前者が総合成績で選んでる感じで、後者が個別の成績がいいものを足してるって感じです。あと、QUSは時価総額で加重されています。

 

こちらは先にバックテストを見てみましょう。

https://www.msci.com/documents/10199/ad187c61-c5ce-4be4-bd84-a6e8c55b62a0

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わずかに普通の時価総額加重に勝っているという感じですね。

 

「わずかに」なのはある意味当然でして、加重方法が時価総額加重なので基本的には普通の時価総額加重と同じ動きをします。ただ、目論見通りリターンはやや高く、ボラティリティはやや低くなっていますね。最大ドローダウンもやや控えめ。

 

良くも悪くも元のインデックスから大きく乖離していない無難なマルチファクターといった感じですね。

 

最後に構成銘柄を見てみましょう。

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時価総額加重なので上位は見知った銘柄ですね。

(あれ、時価総額順じゃなくねと思われる方がいるかもしれませんが、QUSは3つの時価総額加重インデックスを足したものなので株式市場全体の時価総額順とは一致しません。例えばFBはクオリティインデックスにしか採用されていないので、QUSにおける割合はやや低いです)

 

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おまけのセクター。時価総額加重インデックスの合成インデックスなので見知ったセクター割合です。

 

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4 Vanguard U.S. Multifactor ETF (VFMF)

 

最後はこちらのバンガード社のもの。

 

結論から言えば最初に紹介したiSharesのものをよりとがらせた感じになっています。

 

スクリーニング方法はバリュー・モメンタム・クオリティの3つとなっていますが、バンガード社のスマートベータは基本的に中小株の割合が多いので実質的には4つです。

 

なお、中小株の割合自体は50%以上とLRGFよりも多いです。

 

そしてVFMFの最大の特徴はなによりもそのセクター構成でしょう。

 

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とがってますねぇ。ベンチマークはVTIですが、VFMFはずいぶんととがってますねぇ。

 

LRGFは先述したようにセクター構成を市場平均に寄せる調整をしていますし、QUSも時価総額を重視するということで市場平均に似たセクター構成になっています。セクター構成を市場平均に寄せる理由が「余計なリスク・ファクターをいれないため」というものなので、それをあえてしていないのがVFMFと言っていいでしょう。

 

どちらがいいのかというのは好みとしかいいようのないところです。

 

構成銘柄は例のごとく知らないのばっかなので割愛。

 

バックテストは存在しないのでこれまたないです。

 

5 その他

 

あえて言いますが、ぶっちゃけマルチファクターETFについては3つから選ぶべきでしょう。もちろん他の会社も色々と出してはいますが、流動性に難のあるものが多いことを踏まえると上の3つがいいでしょう。(まあ、Goldman Sachsのは悪くなさそうですが)

 

というか上の3つすら流動性がやや怪しいです。資産規模が小さくて小さくて……。やっぱりマルチファクターは人気がないんですよね。良くも悪くも特徴がないというか、いつでも使える代わりに役割がないという感じのスマートベータです。

(例えばモメンタムは上昇相場に強い・低ボラは下落相場に強いという分かりやすい特徴がありますが、マルチファクターはそのようなものが存在しません。逆に言えば、マーケットタイミングをしない派にとって使いやすいスマートベータと言えるでしょうが、その一派はスマートベータを使わないイメージがあります……)

 

さいごに

 

今回紹介したものの中ではQUSが一番無難、LRGFがやや攻めの姿勢、VFMFは尖りに尖ってるという感じのマルチファクターETFになっています。

 

どうせ同じでしょと思って見てみたのですが、けっこうはっきりと違うことがわかりました。

 

正直米国株に関してはスマートベータも充実しているので使い道が少ない感じはしますが、新興国株ですとEMGF、QEMMなんかは数少ない新興国スマートベータETFです。前者はLRGFの、後者はQUSの新興国版ですね。

 

これを機にマルチファクターを検討してみてもいいかもしれません。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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