どうも、あいうえです。
長らく行っていなかった読書感想文を書いていきましょう。
ということで今日は世界中で何億部も売れて大ヒットしているライトノベルシリーズ「ラングドンと愉快な仲間たち」の新作・オリジンについてです。
え、ラングドンシリーズはライトノベルじゃないって?
まあまあ、細かいところはいいんですよ。ヒロインいるし、冒頭にカラーページもあるし実質ラノベじゃん?(私はKindleで読んだのでハードカバー版は違うかもしれません)
1 謎とき要素は控えめ
ランドンシリーズでは基本的に「誰かが亡くなる」→「ラングドン教授が残された謎を解く」という形式をとっているわけですが、今作の特徴は、カーシュ亡くなるまでがかなり長いこと(こいつ亡くなるんやなぁと思いながら読み進めるのはつらかったです)、そして意外なほどに謎を解かないことです。
謎っぽい謎は「カーシュが発表しようとしていたのは何だったのか」ということだけであり、他については一応パスワード探求をしてはいますが、これまでにあったような「???」となる謎はほとんど出てきません。
読者的にはカーシュの発見が気になってしょうがないので先を読み進めていくわけですが、ちょっと作業感が出てしまう感じになったのは残念でした。まあ、カーシュが象徴がらみの暗号を残すようなキャラには思えないのでそこは仕方ないのでしょう。
2 オチは全体的に普通
オチは普通でしたね。序盤から悪役ぽかったなんちゃら司祭は悪役ではなく、AIのウィンストンが黒幕というオチ。
ですよねー。
とはいえ、一つ一つの設定が余すところなく使われていたのは流石。
例えば上巻の最後に出てくるカーシュの末期癌設定ですが、これがなければウィンストンもカーシュを殺してプレゼンを宣伝するなどということはしなかったでしょうね。
ウィンストンはよくありがちな「善悪の判断ができないために命令に愚直に従って主人を殺す系AI」とは一線を画しています。その程度のAIじゃあありません。どうせカーシュの余命がほとんどないからこそ、あのような手段を取ったわけです。完璧な形で。(どの程度完璧だったのかは作品をお読みくださいませ)
また、最初から最後までラングドン教授たちがウィンストンの掌の上であったことを考えると、謎解き要素が少なかったのもある程度は納得できます。ウィンストンが予想していなかった事態はいくつか起こったようですが(スマホが壊れた・サグラダファミリアへの侵入経路など)、ラングドンを誘導しやすいように、解ける謎はウィンストンが事前に解いていたのかもなぁとか考えてみても面白いかもしれません。
他にも、ともすればポリコレへの配慮としか思えないような司祭・国王の同性愛者設定も、フリアンの最後の行動へと繋がっていくという意味でちゃんと働いていました。これがあったからこそ子供を産めないアンブラと結婚をするという決心ができたわけですね。
アメリカってドラマとか漫画の登場人物にも多様性がなくちゃいけないらしいですからねぇ……。そこらへんへの「配慮」をしながらも物語に深みをもたせる手腕はさすが世界で数億部も売れているライトノベルシリーズなだけはあります(だからラノベ違う)
見出しには「普通」という言葉を使ったので面白みがなかったみたいなニュアンスが出てしまっていますが、まったくもってそんなことはなく、終盤で伏線を回収していく流れは安堵感すら感じるものでした。
さいごに
ということで、今更ながら読んだオリジンでしたが、非常に満足度の高い内容でした。
Kindleでも3000円以上かかるというのはラノベ5-6冊分ということでラノベ読みとしてはコスパ悪いなぁと思ってしまうところが正直あるのですが、まあ、文庫版でるのを待ち切れるはずもないのでね……。
とはいえ、まあ、まあ、もう少し面白いのを期待してたなぁというのは正直あります。
んーなんかね……。ラングドンシリーズの面白さというのがなかった感じがね……。
次回作を首を長くして待ちましょうか。
お読みいただきありがとうございました。
これはハードカバーのリンクですが、文庫版もあるようですね。