どうも、あいうえです。
今日は少し謎な存在、REIT投資について述べていこうと思います。
横文字だし、不動産投資だし……とこれまでREITを敬遠してきた方もぜひ読んでみてください。
1 REITとは
REITとはReal Estate Investment Trustの略称で、文字通り、不動産投資を行う不動産投資法人のことです。
つまり、個人投資家から借りたお金で不動産を購入し、賃貸収入や売却益を狙う投資法人のことです。
そんなREITは運用益の大部分を配当として投資家に返さなければならないことが法律によって定められています。ここが大事なところで、つまりは収益の大部分を中抜きして運用法人ががっぽがっぽ儲けるということを禁止しているのです。
ぶっちゃけREITはこれだけのものではあるのですが、細かい知識がいくつもあるのでこれから見ていきましょう。
2 REITと個人の不動産投資の違い
REITも、投資家から集めた資金を元手に金融機関からお金を借りて運用を行うという点で個人が行う不動産投資と同じなのですが、いくつか大きな違いがあります。
それは投資先。
個人の行う不動産投資というのは基本的に居住用の不動産を使った投資です。いわゆるアパート経営やマンション経営ですね。
しかしREITは違います。もちろん、個人と同じく居住用の不動産を使うこともあるのですが、メインは商業用の不動産を経営することが多いです。例えば企業用のオフィスを経営したり、ホテル、他にはショッピングモールを経営することもあります。
また、REITは投資家目線で言いますと、常に所有権を売買することができるという意味でも不動産投資と違います。
REITは普通に証券取引所に上場されているので、買いたいときにはいつでも買えますし、売りたいときもいつでも売れます。不動産投資も流動性が決して低いわけではありませんが、証券として取引できるREITには勝てません。
さらに、REITへ出資した投資家は出資額以上の損失を抱えることがないのも特徴です。
REITは資金を借り入れて運用を行うと上では書きましたが、しかし、たとえREITが資金繰りに困ったとしても投資した金額がなくなることはあるでしょうが、それ以上が請求されることはありません。これも個人の行う不動産投資との大きな違いです。
個人が行う不動産投資は、借り入れた資金を何があろうとも全額自分で返さなくてはいけないので、有事には何とも言えない怖さがあります。例えば地震が起きた時のことを考えるとーーそのリスクをヘッジする手段はいくつもあるとはいえ、やはり怖いものがあるでしょう。そもそも、何がリスクで、そのリスクはどの程度ヘッジできるのかということを完璧に理解しなくてはならないという地点で個人の不動産投資はハードルが高いものがあります。
もちろんREITもそのようなリスクを理解して投資をすべきですが、一口数万円ですし、理解しないまま投資してリスクにぶち当たり大損をしても、ある程度の額までは「悲しい事件だったね……」で済みます。(悲しい事件で済ませられない額を投じるのならばきちんとリスクを理解すべきなのは言うまでもありません)
それはREITの優れている点だと言えるでしょう。
また、同じく「資金を借り入れて不動産投資」と言っても、個人と法人であるREITでは信用力が違うので、REITの方が低い金利でお金を借りられているというのもREITのいいところでしょう。
3 REITの欠点
さて、REITと個人の不動産投資の比較とかいいながらREITを持ち上げてばっかりだった前項とは対照的に、この項ではREITの劣る点を見ていこうと思います。
一つ目のリートの欠点ですが、所謂ところの株価のボラティリティが非常に大きいことです。
普通の不動産ならば、バブルの崩壊とかでない限り、価格が大きく変動するということはありません。リーマンショックの際でもせいぜい10%越えの下落なので、非常に小さいことがわかるでしょう。
一方REITは、配当金の変動がなくとも、金融危機という理由で非常に売り込まれてしまいます。日本のREIT、つまりはJ-REITですが、直前の高値の1/3になるという圧倒的な売り込まれ方をしています。
REITのボラティリティは株式よりも大きいと言われており、そのボラティリティの大きさはまごうことなき欠点でしょう。
4 でもやっぱりREITの方がいいように思える
とはいえ、ボラティリティの大きさを踏まえても個人での不動産投資よりかはREITの方が何倍も優れていると言えるでしょう。
先ほどはサラっと書きましたが、同じ資金の借り入れでもREITは個人より非常に低い金利で借り入れているのは大きなメリットです。
年率4%前後という分配金利回りは個人の不動産投資より少なく見えますが、不安定な家賃収入とは違い安定的な分配金が得られることを考えるとその程度は問題ないと言えるでしょう。
リーマンショックの震源地であるアメリカですが、リーマンショック時のREITの減配幅はせいぜい15%でした。そもそもが安定している不動産を、分散して所有できるREITの強さは大きなメリットです。いや、さらっと書いてますけどたった15%ですからね?あのリーマンショックで。価格は1/3になったのに結局配当金は15%しか下がらなかったのです。
5 J-REITとアメリカのREITの比較
J-REITに投資するにしても、アメリカのREITに投資するにしても私はETFを推奨します。
アメリカのREITであればVNQあたりが本命ですし、J-REITならば一番資産額の多い1343あたりがいいでしょう。
まあ、これについては本当にどちらでもいいのですが、強いて言うならば私はアメリカのREITを選好するかなという感じです。
J-REITは日銀が買い入れているというのをマイナス評価しています。
さいごに
ということでREITについての記事でした。
REITは、株式との相関性が高く分散効果を得られないという何とも言えないデメリットがあるのですが、自らのポートフォリオの一部に組み込むには十分に魅力的な資産です。
インフレヘッジにもなるという俗説について私は懐疑的ではありますが、結果的に値動きが似ているとはいえ、株式とREITが本質的には全く違うものであるということを踏まえると、株式へのエクスポージャーを一部REITに変更することはポートフォリオの強靭性を高めてくれる可能性はあります。
検討するに値するアセットクラスであることは疑いがないでしょう。
参考記事
REITの一種であるモーゲージREITについての解説
エネルギー版REITであるMLPについて。
MLPは日本から投資するには敷居が高いのが欠点。
紹介してきたETF一覧