どうも、あいうえです。
今日は投資家がチェックしておくといい情報を主観でランク分けしたものを書いていきたいと思います。
もちろん、究極的にはすべての情報を見て判断すべきという話はありますし、また、その人の投資方針によって見るべきものと見ても意味のないものがあるので、この記事はあくまで参考という感じで見てもらえればうれしいです。
1 最重要レベル
ということでまずは最重要レベルのものから。
米国債の名目金利
冗談ではなく、世界の経済を支配しているのは米国債の名目金利です。こいつが上がると経済にブレーキがかかりますし、下がると経済が活性化されます。
(注:あくまで教科書的な説明です。逆に、米国債の金利が上がることが経済の活性な証とされたりもするので、必ずしも見方は一つではありません)
FFレートも含め、各年限の米国債の金利を確認しておくことは必要でしょう。
特に、短期金利・長期金利とそれぞれ称される2年物と10年物の国債の金利は非常に重要です。
2 重要レベル
えっ、最重要レベルって米国の金利だけですか!?と思われる人がいるかもしれません。
まあ、「最」重要だから1つだけですぅーみたいな意地の悪いことを言うつもりがあるわけではなくて、それくらい米国の金利が重要なんだよという演出の意味合いが強いですね。
そりゃ、米国の金利と同じくらい大事なものは探せばいくつもあるかもしれませんが、それでも、米国の金利が一番大事です。なので、最重要の枠はアメリカの金利の専用枠にしました。
ということで二番手以降の紹介に移りましょう。
(なお、先に紹介されてるものの方が大事というわけではありません)
1 主要株価指数
まあどうせみんな株式には投資しているでしょうということで、株価指数程度は気にしておきましょう。
SP500(米国大型株指数)
Russell2000(米国小型株指数)
TOPIX(日本なので)
VWO(新興国総合株価指数的な扱い)
あたりが候補でしょうか?ヨーロッパはあまり興味がない人も多いでしょうということで省いていますが、記事の冒頭に書いた通りそのあたりの調整は皆様の投資対象・方針でいい感じにしてもらってほしいという感じです。
一応それぞれの役割を説明しますと
VWO → 新興国への資金の流れがどうなっているかの確認
TOPIX → 先進国における炭鉱のカナリアこと日本様
Russell2000 → 小型株の動きは大型株の動きの先行指標となりうる
SP500 → アメリカの金利が一番重要なのと同じ理由
という感じです。VWO見ただけで新興国への資金の流れがわかったら苦労しねぇよとはなりますが、まあ、そこらへんは多めに見てください。
一つ一つの動きも重要ですが、4つの動きの連動性も重要ですね。基本的には連動している世界の各指数において一部の指数だけが一週間以上変な動きをしていたりしたらそれは何かしらのメッセージかもしれません。
また、株価は景気の先行指標でもあります。
2 米実質金利
金利には名目金利と実質金利があるのですが、場合によっては名目金利以上に大事なのがこちらの実質金利。
名目金利 = (予想)インフレ率 + 実質金利
という式が成立しているので、米国の実質金利は米国のインフレ連動債の金利を参照することが多いと思います。
とはいえ、名目金利の動きとそれほど変わらないと言えば変わらないので面倒なら確認をしなくてもいいような感じはしますが、名目金利では説明できない動きが確認できた場合に実質金利を参照すればわかる場合があったりしますので、知っておくといいでしょう。
また、玄人感を出せるという意味でも貴重です。
3 金・銅・原油のコモディティ三兄弟
コモディティも星とは言わないものの国の数くらいはあるのでなんとも言えないのですが、見るとすればこの3つです。
金(ドル建て)は一般にインフレに強い・アメリカの実質金利と逆相関・ドルインデックス(後述)と逆相関という性質を持っています。
金(円建て)は上の「アメリカ」を「日本」に換えれば基本的には同じ説明をできますし、金(ドル建て)×ドル円という説明でも基本的には問題ないです。
金価格は実需でも動けるので難しいところはありますが、歴史的に通貨の価値と逆相関するような動きを見せてきたという意味で確認するに値するものです。
次は銅価格についてですが、銅やパラジウムは「工業用金属」と言われ文字通り工業でよく使われる金属です。したがって、それらの価格は工業での需要が上がると上がるので、価格上昇→景気好調?、価格下落→景気変調?などのような見方ができます。
一般には景気の先行指標として扱われる気がします。
もちろん、コモディティ価格は需要だけでなく供給、為替にも左右されるので、そのように丸暗記するのは危険ですが……。
最後の原油ですが、こいつは個人的には謎といえば謎な存在です。
もちろん、銅と同じように価格の変動をもとに経済の先行きを見れたりはするのでしょうが、原油の場合は供給側の要因が大きくてよくわからないといった感じもします。
トレードには使えますが、景気を見るのにどれくらい使えるかと言われるとはてなマーク。一応、原油価格が高いと経済に悪影響みたいな感じですかね。
4 為替動向
私はドル円しかみていませんが、多分それだと偉い人に怒られるので皆さんはユーロドルも見ておきましょう。
世界三大通貨の動向だけ見ておけば基本的には問題ないとは思います。
また、ある通貨とある通貨の相対的な高い安いだけでなく、その通貨単体の高さを計る指標として広く使われているのが○○インデックスです。
(○○には任意の通貨名が入る)
5 各種経済統計
有名どころで言えばPMI(先行指標)、GDP(一致指標?)、CPI(遅行指標)ですかね。先行指標に関してはいろんなのが開発されているので好きなのを見ればいい感じはします。
失業率や賃金の動き、貯蓄率などマクロ系の統計はこれでもかと驚くくらいいろいろあるので、適当に見ておけばいいでしょう。
(一番楽な方法はそういうのを追っかけてる人のブログをブックマークにいれておいたり、Twitterアカウントをフォローしたりすることです)
3 その他
1 これまで見たきたもののいろんな国バージョン
金利で言えば米国のが一番大事だとか、為替は三大通貨を見ておけばとりあえずはいいとか書いてきましたが、それ以外でもイギリス・ドイツあたりの金利動向や新興国の政策金利、中国元の為替動向などを見たりしてもいいでしょう。アメリカに比べたら相対的に小さいというだけで、経済に与える影響は大きいですからね。
2 信用リスクの高い債券の金利動向
信用リスクの高い債券の金利と国債の金利の差(スプレッド)は債券市場による景気の評価として使えます。
また、投資適格債の金利は株価よりも国債の金利と連動しますし、逆にジャンク債のは基本的に株価と連動するので、この法則が崩れた時に警戒するみたいな使い方もできます。
イールドカーブの逆転が中央銀行と市場の意見の相違によって起こるのと同じように、債券市場と株式市場の動きの意見の相違によって起こるそれらの現象は一応気にした方がいいでしょう。
さいごに
ということで、いろいろと紹介をしてきました。
基本的には私が気にしているものたちを書いているので、もしかしたら業界では常識となっているものが抜けていたりするかもしれませんが、まあ、そこそこ網羅出来ているものと思われます。
なんでもかんでもETFになっている今はそれらの指標の確認が楽なのはいいですね。
例えば新興国株式の動向はETFを使えば強制的にドル建てでの動向になるので、円建ての動向を見るにはETFの価格にドル円を掛け算すれば完成です。いちいちいろんな通貨をみなくてもいいのは便利です。
また、債券市場の動向についてもいちいち
Federal Reserve Economic Data | FRED | St. Louis Fed
とかにいって確認をしなくても、LQDやらHYGやらの動向を見るだけで確認できます。
せっかく楽になったので、ぜひ皆様も確認をしてみてはいかがでしょうか?
お読みいただきありがとうございました。