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【高い利回りと低い為替リスク?】新興国ドル建て債ETF【EMB・VWOB】


どうも、あいうえです。

 

今日は新興国ドル建て国債に投資できるETFを紹介しようと思います。

 

新興国ドル建て債は新興国ということで当然利回りが高く、しかもドル建てなので為替リスクがドル円だけという債券です。ドル円だけってのも変な表現ですが。

 

もちろん、そこにはきちんとリスクが存在するので、どこにリスクがあるのかというようなことにも触れていきながら見ていきましょう。

 

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1 なぜドル建てなのか

 

近頃は現地通貨建ての場合も増えてきましたが、新興国債はドル建てで発行される場合が多いです。例え国債でもそうです。

 

なぜドル建てで発行されているのかというと、それはひとえに新興国通貨の信用がないためです。

 

新興国通貨はしばしば大幅な下落に見舞われます。その要因は様々ありますが、基本的には高いインフレ率や、経済の脆弱性、政治的な不安定さが原因です。近頃ですとブラジルレアルやトルコリラ、アルゼンチンペソ辺りがそうでしょうか。また、アジア通貨危機という言葉を知ってる人も多いと思います。ふと気付いたら通貨が大幅下落してるのが新興国通貨です。

 

そんな状況で新興国通貨建てで10年債とかを出しても、「えっ、君んとこの通貨ちゃんと10年後も残ってる?」って投資家に突っ込まれてしまうために買い手がつきません。

 

だから仕方なく世界の基軸通貨ドル建てで債務を発行するんですね。ドルだと買い手がつくから。ドルは10年後も30年後も残っているとみんな信じているのです。

 

(もちろん、現実には現地通貨建て債券が存在するので、現地通貨建てでも買い手がいることにはいます。ただ、現地通貨建て債務が売れる分だけではお金が足りないのでドル建てでも売らなきゃいけないというのが実情だと思います。少なくとも、好き好んでドル建てで発行してるわけではないでしょう)

 

2 しかしドル建て債はデフォルトリスクが比較的高い

 

新興国通貨は、通貨下落リスクが存在するのですがデフォルトリスクは少ないです。現代国家は自国通貨を刷ることができる中央銀行を持っているので、刷って返せるからです。まあその分通貨が下落するかもしれませんが、その分のリスクプレミアムくらいは利回りに含まれています。

 

しかし、ドル建て債だとそういうわけにはいきません。ドルを刷る権利を持っているのはアメリカ政府だけなので、新興国政府が自由勝手にドルを刷って返すことはできません。某北朝鮮みたいに偽造するわけにもいきません。

 

いやいや、自国通貨を刷ってドルに換えて返せばいいじゃん……!と思うかもしれません。平時ならばそれでいいのですが、一度経済状況が悪くなると、自国通貨をドルに換えてくれる心優しき人が減ってしまうためにうまくいきません。

 

その結果「支払い利子>収入」という風になってしまうとデフォルトが起きます。(支出ではなく、支払い利子>収入です)

 

もちろん、そうなったらIMFから借り入れたりとかいろいろあったりするのですが、まあ、要するに、発行国がドルを手に入れる術を失い、かつ貯蓄しているドルがなくなってしまうとドル建て債はデフォルトするという話です。

 

新興国ドル建て債はこのリスクに対してプレミアムが付くので利回りが高いんですね。

 

こう見ると、

信用がないから現地通貨建て債券が売れない→ドル建てで売る→経済が弱くなるとドル建てで返せなくなる→信用がなくなって通貨が下落する→経済がさらに困窮する→信用がなくなる→現地通貨建て債券が売れない→ドル建てしかない→……→……

みたいな悪循環に入っているような気もしますが……。

 

例えばドル高になると新興国経済に悪影響だという話もこの辺りと関係しています。

 

ドル高になるとドル建て債務の支払いが実質的に増えてしまうので、経済が苦しくなってしまうんですね。額面は変わっていませんが、それを返すのに必要な現地通貨が増えてしまいます。

 

それに備えるために、外貨獲得を目指したり、外貨準備というものをしたりしてるんですね。ドルを貯金しておけば、いざという時に貯金を崩しながらしのぐことができます。(最近は金を保有する動きも盛んですが)

 

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3 EMBとVWOBの比較

 

ということでそんな新興国ドル建て債、それも国債に投資するのがEMBとVWOBというETFですが、国別割合を見てみると結構違うことがわかります。

 

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まあどっちもどっちなので、これに関しては好きな方を選べばいいと思います。実績を見ても似たり寄ったりですし?

 

デュレーションに関してはVWOBが6年、EMBが7年とEMBの方が長め。景気の良いときはEMBの方が成績が良くなりそうです。

 

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VWOBは作られて日が浅いのでEMBのを挙げますが、リーマンショックを見る限り新興国ドル建て債はいざというときに「売られる」資産です。金融市場が混乱に陥ると「質への逃避」という現象が起きるのですが、新興国ドル建て債は質の低い側に存在していることは知っておきべきです。

 

なので、景気の良いときはデュレーションの長いEMBの成績がよくなりますし、景気の悪いときはデュレーションの短いVWOBの方が損失は小さくなることが予想されます。まあ1年の差なのでほぼ誤差ですが。

 

あとは経費率ですが、EMBが0.4%、VWOBが0.32%です。これもまあ誤差でしょう。

 

後は私的にどちらの方が好きかということについて述べておきますと、EMBを買うと思います。

 

EMBの方が資産規模が大きく、流動性が確保できるというのがその理由です。日々の取引高はEMBの圧勝です。正直、0.08%の経費なんかよりもいざという時の換金性、つまりは流動性の方が貴重なので、EMBを私は選択します。

 

4 さいごに

 

新興国ドル建て債はドル建ての中では比較的高い利回りと獲得できる投資先です。

 

国債と社債を比べるのは微妙に違う感じもしますが、感覚としては投資適格社債(LQD)よりハイリスクハイリターンで、ジャンク債(HYG)よりかはローリスクローリターンという感じでしょうか。

 

為替ヘッジをつけても少なくない利回りを確保できるので、投資信託を使ってヘッジつきドル建て新興国債を買うという手もありそうです。

 

もちろん、そこには信用リスクがあることを忘れてはいけないですけどね。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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紹介したETF一覧

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