とあるオタクの長期投資

投資、時々ラノベオタク

ひふみ投信の藤野英人氏によるとんちんかんな投資話について


どうも、あいうえです。

 

今日のテーマは意味の分からない投資話を鑑賞してみよう!です。お相手はあの藤野英人氏。ひふみ投信を運用している会社の代表ですね。なにやら頓珍漢な投稿をFaceBookにしていました。

 

 

たぶん埋め込みだと見づらいと思うので、上記の文章をすべて引用します。内容の改変はしていませんが、改行の仕方を変えている場合があります。

 

以下引用。

 

日本においてインデックス投資をすすめない理由の一つは、時価総額の大きな会社、はっきりいえば、経団連の会長・副会長企業群のTOPIXに占めるウエイトが大きく、それが足を引っ張ってるからである。

 

少なくともそれをあまり持たないという決断をするだけで、少なくともTOPIXには勝てる可能性が高まるということだ。

 

この表は10年間のマザーズ、TOPIX、TOPIX CORE30および経団連会長・副会長企業群の株価のパフォーマンスである。ちなみにこれを5年間にしても30年間にしても結果は変わらない。(2008.3末から2018.3末まで)

ブログ著者注:表を見たい方は埋め込みのリンクから見てください。

 

もちろんこういうデータに明るい人は起点が違うと結果が変わると言いたい人も多いと思うが、少なくとも3-5年間くらいの期間で、起点をどこにとっても経団連の会長・副会長企業がTOPIXを上回るのを探すのはとても難しい。これは公表データーから作成できるのでいろいろ作業して見てほしい。

 

これほどまでにTOPIXを安定的に負けるポートフォリオを作るのは難しい。

 

経団連の会長および副会長の企業群がどの時期も(景気が良い時も悪い時も)安定的にTOPIXに大負けしてるのである。これを追求しない野党もメディアも結局は同罪だ。どんどん質問しないと。なんであなたたちは全体でTOPIXを下回っている成績なのに、経済界の代表と言っているのですかと。あなたたちがTOPIXを上回る成果を出すか、出すチームになるようにメンバーを入れ替えないといけないのではないですかと。

 

いかにポートフォリオからGG資本主義の会社を除くのかが大事だということになる。

 

経団連企業をポートフォリオから除き、それ以外の東証一部企業といくつかのジャスダックおよびマザーズを組み入れてポートフォリオを組むことが重要である。ひふみがロングタームに安定的にTOPIXに勝ててるのはその構造を維持してるからだ。

 

ひふみが戦略を変えるのは、経団連のメンバーが30代から70代の混成メンバーで会長と副会長が構成され、女性が1/3、外人が1/3になり、転職組が半分くらいになったとき。ひふみがTOPIXを勝つのが難しくなる日が日本の夜明けだ。

 

ここまで引用

 

また、参考資料としてこの投稿をする原因となった日経の記事へのリンクも貼っておきます。

 


さて、次項から、この藤野英人氏による投稿がいかに的外れなものか見ていきましょう。

 

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詳しく見ていく

 

ということで詳しく見ていきましょう!いぇーい!

 

日本においてインデックス投資をすすめない理由の一つは、時価総額の大きな会社、はっきりいえば、経団連の会長・副会長企業群のTOPIXに占めるウエイトが大きく、それが足を引っ張ってるからである。

 

ふむふむ。日経の記事を読んで経団連を「叩けるおもちゃ」と認識したのか知りませんが、藤野氏はここから経団連を叩き始めます……が、はやくも迷走を始めます。

 

この表は10年間のマザーズ、TOPIX、TOPIX CORE30および経団連会長・副会長企業群の株価のパフォーマンスである。ちなみにこれを5年間にしても30年間にしても結果は変わらない。(2008.3末から2018.3末まで)

ブログ著者注:表を見たい方は埋め込みのリンクから見てください。

 

もちろんこういうデータに明るい人は起点が違うと結果が変わると言いたい人も多いと思うが、少なくとも3-5年間くらいの期間で、起点をどこにとっても経団連の会長・副会長企業がTOPIXを上回るのを探すのはとても難しい。これは公表データーから作成できるのでいろいろ作業して見てほしい。

 

これほどまでにTOPIXを安定的に負けるポートフォリオを作るのは難しい。

 

おそらく、投資に明るくない人はこれを見て騙されてしまうのですが、そもそも大企業というのは投資のリターンがあまりよくないことが知られています。

 

例えばアメリカを見てみましょう。

 

アメリカには経団連がありませんが、大企業の集合体の株式リターンとして使える指標「SP100」があります。SP500の上位100社という超大企業の集合体ですので、19社ある経団連会長・副会長を務めている会社のアメリカ版と言ってもいいでしょう。

 

そんなSP100のトップ10社にはアップル・フェイスブック・アマゾン・グーグルなど名だたるアメリカの企業があるのですが、SP100のリターンは、どの5年を取ってみてもアメリカ版のTOPIXといえるインデックスに負けます。

 

TOPIXにここまで安定的に負けるポートフォリオを作るのは難しいとか偉そうに言ってますが、アメリカ版TOPIXに安定的に負けるポートフォリオなんか5分で見つけました。……というか、SP100のリターンが良くないことは知識として持ってましたので、上に書いた5分は5年リターンの確認作業に費やした5分です。なので藤野氏の投稿を見た瞬間に「こいつ適当なこと言ってるな」ってわかったわけですが。

 

このことから分かるように、経団連の会長・副会長の座を占めているのが大企業の社長たちならば、経団連の株式リターンが悪いのは当然です。経団連の多様性とか全く関係ありません。大企業だから株式のリターンが悪いのです。

 

ちなみにこれを小型株効果(小型株の方が投資リターンがいいというアノマリー)といいます。

 

次の一節なんか意味不明な主張だらけです。

 

経団連の会長および副会長の企業群がどの時期も(景気が良い時も悪い時も)安定的にTOPIXに大負けしてるのである。これを追求しない野党もメディアも結局は同罪だ。どんどん質問しないと。なんであなたたちは全体でTOPIXを下回っている成績なのに、経済界の代表と言っているのですかと。あなたたちがTOPIXを上回る成果を出すか、出すチームになるようにメンバーを入れ替えないといけないのではないですかと。

 

「経団連の会長副会長の企業群がTOPIXに大負けしている。これを追求しない野党もメディアも同罪だ」と書かれていますが、これも近頃のネットあるある、とりあえず野党とメディアが悪い病に罹患していることがわかります。

 

大企業の株式リターンが悪いことを批判しない野党とメディアは問題だって、え、もしかして小型株効果を批判すればいいんですか……?(笑)

 

百歩譲って彼の主張を一部認めるとして、経団連と仲がいい自民党ではなく、なぜ野党とメディアが悪いんでしょう。そこもよくわかりません。生活保護受給を減らした自民党(国会)の決定に対して「止められなかった野党とメディアが悪い」という頓珍漢な批判をした某物理学者を彷彿とさせます。第一に批判すべきは自民党でしょうに。あ、これがネトウヨの人がよく言う印象操作ってやつか。なるほどさすがひふみ投信。勉強になるなぁ……。

 

そして後半部分に入るともっと意味が分からなくなります。

 

藤野氏の主張によると、時価総額加重インデックスを上回る成績を出さないと、その企業群には日本経済の代表を名乗る資格がないらしいですが、これは投資家が罹患しやすいといわれている「株式のリターン=企業の価値」と考えてしまう病の典型的な症状です。冷静に考えてみて、株式のリターンと企業の価値になんの関係があるのでしょうか?

 

彼の論法によると、SP100に含まれているアップルもアマゾンもグーグルもフェイスブックもコカ・コーラもジョンソンエンドジョンソンもアメリカを代表する企業として不適であることになってしまうのですが、いいんですかね……?

(個々の企業でいえば時価総額加重平均インデックスを上回る成績を残している企業もあるのですが、そんなことを言ってしまえば経団連の企業だってそうです)

 

大企業のことを経済を代表する企業とだと見なす限りにおいて、経済を代表する企業の株式リターンは非常に高い確率で時価総額加重平均のインデックスに負けます。

 

結局のところ、彼の主張というのは株式のリターンと企業価値という関係ない二つを結びつける意味の分からない論法、そしてそれをなぜか野党とメディアのせいにするというネットあるあるな支離滅裂なものなのです。

 

日経の記事に書かれていた、経団連の会長・副会長に多様性がない、というのに乗っかって経団連を批判したいのであればこんな論理性のかけらもない意味の分からないことをする必要なんてなかったでしょうに。

 

素直にもっと多様な人材を入れろでもいいでしょうし、例えば「日本経済の代表としての経団連のポストに大企業しかいないのは問題だから、中小企業枠を1、2個作るべきだ」とかね? 

 

そうなると「中小企業が日本の経済を実質的には支えてるとしても、日本経済の代表者としての活動をさせるのはどうなんだ」とかそういう話になっていくのですが、この記事の本筋とはずれるので割愛。でもこっちのほうが有意義な話ができそうでしょ?

 

いかにポートフォリオからGG資本主義の会社を除くのかが大事だということになる。

 

これは彼の著書の宣伝です。とりあえず宣伝は基本。私のブログでもよく行います。

 

彼の著書を読んでいないのでなんともいえないのですが、GG主義はどうやらシルバー民主主義と似たような用語のようですね。

 

彼の著書を読めば、大企業の株式リターンが低い要因とシルバー民主主義の関係が分かるらしいですよ!!! 小型株効果の原因をみつけたとかさすがひふみ投信ですね!(注:読んでない人の感想です。万が一GG主義の解釈が誤っていた場合にはコメントで指摘していただけたら幸いです)

 

経団連企業をポートフォリオから除き、それ以外の東証一部企業といくつかのジャスダックおよびマザーズを組み入れてポートフォリオを組むことが重要である。ひふみがロングタームに安定的にTOPIXに勝ててるのはその構造を維持してるからだ。

 

ひふみが戦略を変えるのは、経団連のメンバーが30代から70代の混成メンバーで会長と副会長が構成され、女性が1/3、外人が1/3になり、転職組が半分くらいになったとき。ひふみがTOPIXを勝つのが難しくなる日が日本の夜明けだ。

 

株式リターンと企業の価値にあたかも関係があるように見せかけた後は、小型株効果を「経団連の企業を外している」と言い換えることによって簡単に経団連を悪の組織みたいにできます。詭弁の見本ですね。流石です!!!こらそこ、実際経団連は悪の組織じゃねとか言わない。

 

やっぱり野党とメディアは小型株効果を叩かなくちゃ……!(使命感)

 

ひふみ投信はアメリカに投資する際にSP100採用企業に投資するんですかね。おそらくその企業群のCEOは30-70代の混成メンバーで、女性が1/3で、外人が1/3で、転職組が半分くらいですよ。アメリカ版TOPIXにリターンは負けていますが。

(確かアマゾンとかに投資してるんでしたっけ)

 

あ、でも藤野氏によれば時価総額加重インデックスに負けている企業群には経済を代表する資格がないらしいので、企業群のCEOは30-70代の混成メンバーで、女性が1/3で、外人が1/3で、転職組が半分くらいの企業群であるSP100には経済を代表する資格がないみたいですね!やったー!反ポリコレばんざーい!

 

日本の中小株インデックスにもちゃんと勝ってるんだから、素直にそこを宣伝しとけばいいのに、よくもまあ、日経の経団連批判記事からここまで詭弁だらけの主張をできるものです。

 

「経団連の会長・副会長の座を占めているのは時価総額の大きい大企業の社長で、しかも多様性がない」という事実と「時価総額の大きい企業の株式のリターンは悪い」という事実の間に関係などほとんどないんです。そこに勝手に意味を見出して、株式のリターンが悪い経団連に日本を代表する資格はないとかいう意味の分からない主張をするのははっきり言ってバカのやることです。

 

野党とメディアと経団連を同時に叩くのはネット受けのいい主張でしょうが、一つたりとも正当な批判というものが存在しません。

 

何度も書きますが経団連を批判するのに株式のリターンを使うのはまったくもって誤りなのです。ほんとに投資家なんですかこの人。小型株インデックスも上回る成績をだしているということで少しは期待してたんですが、この程度の人にお金を預けるのは私には無理です。

 

 

The stock market is not the economyとはよく言われる言葉ですが、投資を知らない彼にはこの言葉を贈っておこうと思います。

 

株式市場が経済でないのと同じように、株式のリターンは企業の価値ではありません。まったくの無関係だというのは流石に誤りでしょうが、安易に「=」で結びつけてしまうのはそれ以上に間違っている行為です。株式市場を見てすべてを知った気になるというのは投資を始めたばかりの株式投資家が陥りやすい錯覚ではあるのですが、仮にも資産運用会社を作っている人がこんな初歩的なミスをするとは……。

 

いい子はこんな詭弁に引っかからないようにしましょうね。ひふみになんて興味ないよという人も「The stock market is not the economy」という言葉は覚えておいて損はないでしょう。なにより英語なので、適当に使っておけば「俺わかってるぜ」感が出せて非常に便利です。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

追記

 

なんかTwitterで拡散されたみたいなのでコメントをば。

 

いくつか見られた反応として、じゃああんたの考える「企業の価値」ってなんなのよというのがありましたが、(投資ブログをやっておいてなんですが)投資家目線だけで企業価値を論じるのがそもそも変な話だというのが私の意見です。

 

株式のリターンでも、時価総額でも、株主資本でも、純資産でも、ROEの高さでもなんでもいいのですが、いずれにせよそれで企業の価値を計ろうというのが馬鹿げているのです。それは全部、投資家にとっての企業の価値でしかありません。

 

藤野氏も「なんであなたたちは全体でTOPIXを下回っている成績なのに、経済界の代表と言っているのですかと。」と書いていますが、時価総額加重平均インデックスと比較した株価の動きで決めるは論外としても、上場してなければ経済界の代表を名乗ってはいけないという決まりはありませんし、株式を発行しなければならないという決まりすらありません。

 

サウジ・アラムコはサウジアラビアの経済を代表しちゃいけないんですか?企業価値はゼロですか?いえ、サウジ・アラムコには確かに「価値」があります。

 

そりゃ私も投資するときは投資家目線で企業を評価します。このブログも投資ブログなので基本的には投資話しかしません。でも投資家にとっての企業がすべてじゃあありません。

 

だからThe stock market is not the economyなんです。

(たぶん本来の使い方とはずれてますけどね……)

 

まあ、そういう意味ではタイトルが微妙ですね。「投資話」って書いてるので、記事中に出てくる企業の価値というワードも「投資における企業価値」と考えるのが普通ですからね。

 

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