とあるオタクの長期投資

投資、時々ラノベオタク

現在の債券は思っている以上にリスクが高いという話【金利・信用リスクの両面から見る債券投資】


どうも、あいうえです。

 

皆さん債券投資ではAGG・BNDなどの総合債券ETFや、LQDなどの投資適格債ETFを使っている場合が多いと思います。

 

特にAGG・BNDの紹介記事は当ブログでも人気だということからも注目度が高いことがわかります。

参考:

一番人気のある総合債券ETF【AGG・BND】

国債より利回りがいい投資適格社債に投資できるETF【LQD】

 

しかし、今日はそれらの債券のリスクが思ったより高いですよ……?というお話をしようと思います。特にLQD。今や投資適格債市場は一部から次の金融危機の原因説がささやかれるレベルだったりするのです。

 

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1 JPモルガンのデータが一番わかりやすい

 

ということで、早速JPモルガンの提供しているデータを見てみましょう。

 

ものすごいわかりやすくまとまっています。

 

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https://www.jpmorganasset.co.jp/wps/portal/gtma?lang=ja_JP

 

まず上のグラフから見ていきましょう。

 

上のグラフは、リーマンショック以降、国債を含む投資適格債の平均デュレーションが長期化していることを表しています。

 

デュレーションというのは、金利が1%上がると何%債券価格が下がるかということを表す指標なので、デュレーションの長期化は金利リスクの増大を意味します。

 

しかし、ここまでだと「いやいや、投資適格債ならデュレーションが長期化しても信用リスクが小さいし大丈夫じゃない?」と思う人がいるかもしれません。

 

そこで大事なのが下のグラフです。

 

下のグラフは、米国企業のレバレッジが近年急速に拡大していることを示しています。

 

つまり、米国企業がすごい勢いで借金を積み重ねているという意味です。その水準はすでにリーマンショックを軽く超えていることがわかります。

 

その結果社債市場はどうなったのでしょうか?

 

ブラックロックが運営している投資適格社債ETF・LQDの格付け割合を見てみましょう。

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そう、おおよそ半分の債券が「ギリギリ投資適格」のBBBに格付けされているのです。

 

BBBは日本証券業協会の定義によると「信用力は十分であるが、将来環境が変化する場合、注意すべき要素がある」とされています。

参考:債券の格付け | 日本証券業協会

 

将来環境が変化した際、具体的には金融危機・景気後退に陥った際には危ないと言っていいでしょう。

 

しかも、上のグラフを見る限り、そんなBBB格付けの債券の平均デュレーションも伸びているのです。

 

さらに、リーマンショックの例を出すまでもなく格付けって皆さんが思っている以上に結構適当なのでそういう意味でも投資適格ギリギリであるBBBはかなりきな臭いです。

 

「こいつ大企業やしな~ジャンクにはできひんしBBBの投資適格にしとこか(似非関西弁)」でもおかしくないのです。

 

債券の量が増え、平均残存期間が増え、質が低下している

というのが現状であることを認識しておきましょう。

 

2 いろんな意味で不健全な債券市場

 

しかも、投資適格債市場においては債券の「使われ方」すら不健全です。

 

そう、企業達は低金利を背景に投資……ではなく自社株買いに勤しんでいます。

 

昔説明したように、借金をしての自社株買い自体は不健全ではありません。むしろ株主にとっては嬉しいことです。

参考:自社株買いの利点と欠点【借金をして自社株買いをする?】

 

しかし、ここまで拡大すると話は別です。一度掛けたレバレッジはどこかで解消しなければならないのですが、企業は利益の拡大を伴わない形でそのレバレッジの解消をする羽目になります。投資をしていないわけですからね……利益が拡大していません。

 

レバレッジ解消期には当然自社株買いができないわけで、今の自社株買いブームまごうことなき「利益の先食い」なのです。この背景にあるのも当然低金利です。

 

まだマシな使い道はM&Aであり、こちらもまた今の市場ではブームになっている(武田製薬とか)のですが、これも大幅な借金に頼っているという意味で一時的に企業経営を不安定化させます。

 

M&Aブームが始まると景気サイクルは終盤という経験則から言ってもいろいろとアレなのは言うまでもないでしょう。

 

いずれにせよ、投資適格債が本当に「投資適格」なのかというところには正直疑問符が付きます。

 

また、これまでは書いてきませんでしたが、ジャンク債の発行残高も増えているのもなかなかにアレです。

 

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3 LQDはともかくとしてAGG・BNDも危ない?

 

そのような状況でLQDは正直微妙だというのが私の意見です。

 

信用リスクが高いのは先ほども述べた通りですが、デュレーションも8年を超えておりなかなかに長いです。企業達が低金利だとばかりに長期債を発行しまくってます。

 

リーマンショックもかなり大きなショックでしたが、次のショック時の投資適格債市場ではそれ以上の下げを観測できるかもしれません。(少なくともリーマンショックレベルの下げを想定しておいて損はないでしょう)

 

また、AGG・BNDもこのような状況では危険度が増していることに留意しなければなりません。

 

これらの総合債券ETFのデュレーションが昔に比べて長期化しているのは述べた通りですが、実のところAGG・BNDにも投資適格債が含まれています。おおよそ25%程度。

 

もちろん、米国債やモーゲージ債がかなりの割合を占めているのでいざという時にはそれらがクッションとなってくれるのですが、それでもAGG・BNDに大きな役割を期待するのは難しいかもしれません。

 

積みあがる国債も国債で問題なのですが、今の火薬庫が何かと聞かれたらやはり投資適格債なのです。

 

4 信用リスク・金利リスクの積極的な管理を!

 

このような状況では下手にAGG・BNDを購入すべきではありません。

 

皆さんが思っている以上の金利・信用リスクを取っている可能性があります。

 

むしろ「〇〇-〇〇Year Treasury Bond」のように特定の年限を集めた国債ETFやMBBなどのモーゲージ債ETFを使って国の信用力に頼ったり、社債を買う場合も1-3年程度の満期の短い社債に頼ったりした方がいいでしょう。

 

比較的短期は社債、長期目のやつは国債系のようにしてもいいかもしれません。

 

もっと言えば、債券からもある程度資金を引き揚げて日本円に戻すのもいいと思います。

 

いずれにせよ、下手に総合インデックスに頼るのではなく投資対象の金利リスクと信用リスクを明確にした方がいいはずです。追加で払う経費率はせいぜい0.1%程度ですから。

 

追記:

iShares Aaa - A Rated Corporate Bond ETF | QLTA

のように、投資適格債は投資適格債でも質の高いものだけに投資するETFもあるので、そういうのを使ってもいいでしょう。

 

さいごに

 

ということで、近頃の債券市場のリスクの増大が「安全」とされているAGG・BNDにまで及んでいるという内容の記事でした。

 

債券インデックスは、仕方ないとはいえ組み入れ割合を債務発行残高で決めているというお世辞にも効率的でないインデックスなので、危ない債券の発行残高が増えれば増えるほどそれらの債券の組み入れ割合が増していきます。

 

株式市場だけでなく、安全とされる債券市場でもリスクがひたひたと迫っているのです。

 

今一度債券について考え直してみてはいかがでしょうか?

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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