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ブラックロックでまなぼ 第三回:SPDR編「投資における理性と感情のバランス」


 どうも、あいうえです。

 

ブラックロックにまなぼシリーズはブラックロックのブログを通じて投資の知識を増やしていくことを目的としているのですが、最近ブラックロックがブログの更新をさぼるのでSPDR――ステートストリート社のブログにお邪魔しています。

 

ということで今回のテーマはこちらの記事。

 

Balancing Emotion And Reason When It Comes To Investing | SPDR Blog

 

投資界において地味に問題になる「感情」の影響を考えた記事ですね。

 

早速見ていきましょう。

 

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1 ブログ内容のまとめ

 

The myth that emotion should remain separate from investment decision-making abounds in our industry.

 

Remainあたりの訳が難しいですが「投資行動と感情は常に分けておかれるべきである、という神話は我々の業界(金融業界)には豊富にある」あたりが無難な訳でしょうか?

 

確かに、投資において感情は味方か敵かという質問をされたら敵だと答える人が多いでしょうし、実際、感情的であることがバカにされる風潮というのは投資家の間にはあるのではないでしょうか?

 

売買ルールを決めなさいという助言や、過去のデータ・バックテストを重視する傾向、システムトレードの存在を考えても一理あります。ディープランニングを利用したコンピューターによるトレーディングはその究極系と言ってもいいでしょう。

 

しかしSPDRはそのような「感情は敵である」といった風説を「神話である」と一蹴しています。神話というよりは迷信という方が適切かもしれませんね。

 

As humans, we have two highly developed systems: reason and emotion. And our goal should not be to divorce ourselves from emotion. Instead, we should seek to achieve balance between the two. Useful integration of the emotional and rational selves tends to be a more productive conversation—certainly a healthier approach to decision-making.

 

これ、どうやって訳したらいんでしょう。特に後半。

 

「人間として、我々は二つの高度に発展したシステムを持っています――理性と感情です。そして私たちの目的を自分自身から感情を切り離すことにしてはいけません。代わりに、私たちはそれらの二つのバランスを取るように努めるべきです。感情的な自己と理性的な自己の有益な形での統合はより生産的な会話をもたらす傾向があります――それは確かに、意思決定に対するより健全な形でのアプローチでしょう」

 

後半はあやふやですが、それでも大体の雰囲気はつかめます。

 

要は、理性ばかりを重視し感情を排斥するのではなく、二つの健全な形での共存を目指そう的な感じです。

 

これに対する私の意見は後で述べるとして、とりあえずは英文を読み進めていきましょう。

 

Bringing together IQ—the reason (quantitative analysis)—with EQ—the emotion (qualitative bias)—can lead to better outcomes.1 This balanced decision-making framework aims to better manage human preferences, biases and behaviors that can often undermine success.

1 John Ameriks、Tanja Wranik、Peter Salovey、 "Emotional Intelligence and Investor Behavior"、2009. 

 

「IQー理性(定量的な分析)とEQ―感情(質的偏見?)を組み合わせることはよりよい成果をもたらします。このバランスの取れた意思決定の枠組みは好み・偏見・態度のような、しばしば成功を壊すものたちをよりよく管理することを目指しています」

 

qualitative biasの部分が訳せませんでしたが、これまた雰囲気はあってるでしょう。

 

さすがに参考文献として挙げられた論文の中身は精査していませんが、まあ、一応論文という根拠を出しているのはいいですね。

 

Even more, emotional intelligence can be beneficial to the investment decision process, promoting a focus on achieving suitable risk levels and meeting long-term goals. Research also shows us that investors who incorporate their IQ and EQ may have improved investment performance.2 The key is balancing emotions and information, and being aware of where emotions may come into play.

2John Ameriks, Tanja Wranik, and Peter Salovey, “Emotional Intelligence and Investor Behavior”, 2009. and Investor Behavior,” CFA Digest 39.

 

「さらに、情熱的な知性というのは投資決定の過程に有益であり、適切なリスクレベルと長期的な目標の達成に着目することを促進します。調べによると、IQとEQを組み込むことは投資成績を向上させます。重要なのは感情と知識?のバランスを取ることであり、感情がどのように作用するかを認識することなのです」

 

感情をある程度うまくつかった方が投資成績は向上するようです。

 

Emotion is a force for action, if used properly. A more structured decision-making process may be key to a better investment experience for investors. Research from Herbert Simon, a 1978 Nobel Laureate in economics, is useful here. Simon showed that uncertainty about the future means that it is impossible to always make a fully informed or perfectly rational decision. This is especially true for investing. We can’t ever know for certain what the best investment choice will be, but we can choose the option that is most “satisficing.” By aiming for a decision that will “satisfy” and “suffice,” we seek the solution that is most likely to make us happy. We can use this concept of satisficing to improve the investment experience and avoid second-guessing.

 

「感情というのは、適切に使用される限りにおいて、力なのです。よりしっかりとして意思決定のプロセスというのはおそらく投資家がよりよい投資経験をするためのカギなのです。 Herbert Simon(1978年のノーベル賞受賞者)の研究がいいでしょう。未来の不確実性が、常に十分な情報や完全な理性に基づいて決定することが不可能であるということを意味すると彼は示しました。これは特に投資に当てはまります。最高の投資選択肢がなんであるかについて私たちは確信をもつことはできませんが、最も”満足する”選択肢を選ぶことはできます。最も”満足”かつ”十分”である選択をしようとすることによって私たちはもっとも自分を幸せにする方法を模索することができるのです。満足という概念を使うことによって投資経験を改善できますし、後悔を避けることができるのです」

 

Both men and women are subject to emotional influences that can have positive or negative implications for their investing habits.  These emotional influences are not predictors of success or failure as an investor—the outcome depends on many factors, including an investor’s self-awareness of their emotional influences.

 

「男性も女性も、投資に良い影響も悪い影響も与える「感情」というものの影響を受けます。感情の影響というのは投資家としての成功や失敗を予測するものではありません――結果というのはいくつもの要因の影響を受けますし、それには感情の影響に対する投資家の自己認識も含まれるのです」

 

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2 感想

 

書いてあることはまともですが、じゃあどうやったら感情と理性のバランスをとれるの?という問いに対する答えは一切用意されていないというなんともいえない記事ですね。バランスを取るって言われても、簡単にできたら苦労しませんよ……。

 

とはいえ、感情というものを排除すべきものとして一切無視しようとするのではなく、よりうまく使うように努力すべきものだという主張には同意します。

 

結局排除できないのならば、共存を目指しましょうと。

 

これは例えば「直観」というものにも関係してくるかもしれませんね。直観はどちらかというと感情に分類されるものだとは思いますが、しかし、高度な知識と深い経験によって引き起こされた高度な知的思考の結果として現れる直観というのは確かに存在するはずです。

 

それを直観なんて感情的なものは意味がないとして捨ててしまうのはあまりにももったいない行動です。

 

高度な知識と深い経験によって引き起こされた高度な知的思考の結果として現れる直観ってなんじゃい、と思われるかもしれませんので例を挙げておきますと、例えば将棋のプロ棋士が思考速度においてはコンピューターにまったくもって勝てないにも関わらず(勝てはしませんが)かなりいい勝負を繰り広げられるのは間違いなくその類の直観のおかげです。

 

また最高の「結果」ではなく「満足」を目指しましょうというのにも賛意を示しておきましょう。

 

例えばESG投資、私はESG投資を「汚ったねー資本主義と上っ面なリベラルの合体」としか思っていませんが、しかし、それに投資することによって満足を得られるのならばそれはそれでいいはずです。

 

もちろん、最高の結果を追い求めるプロセスに最高の満足を覚えるのならば最高の結果を追い求めていいわけです。

 

私はどちらかというと高いリスク調整済みリターンを求めることが好きなタイプですね。

 

最高の結果を求めても絶対に達成できないのならば、結果ではなく満足感を求めるというのは強ち間違ってないはずです。

 

これまた極端な話になってしまうかもしれませんが、もし投資で損をしたとしても「いやぁ、日々の値動きにドキドキするのは楽しかったなぁー!」と思えるのならばそれはそれでいいのだと私は思うのです。

 

一方で、ある程度利益を得られたにも関わらずもっと儲けた人をみて「儲け損ねたー!!!」と歯噛みして悔しがるというのは違うなぁと思う訳です。

 

もちろん利益が出る、そして大きな利益を得られる方がよりよいといえばよりよいのですが、それを絶対的なものとして捉えて投資というプロセスを楽しめなくなったらそれはやはり違うわけで。

 

配当金とかもそうですよね。配当金ではなく自社株買いとしての還元の方が税金的にはお得なのですが、それでも、投資の対価としてインカムを受け取るというプロセスに価値を見出している人にとっては配当金の方が嬉しいわけです。

 

そんなところですかね。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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