どうも、あいうえです。
将来への不安とか、長引く好景気に誘われ投資に興味を持ったりとかでイデコをやってみようかなという人は一定数居ると思うのですが、この記事ではそんな人たちの「イデコ始めよう!」という人たちに冷や水を浴びせてみようと思います。
私だってイデコは嫌いではないのですが、私はやるかやらないかでいうならばやらないかなぁ派なので、その理由を書いていく感じになります。
まあ、ブロガーとしてはイデコを推奨した方がイデコにおすすめのファンドとか、証券会社紹介とかで記事数もアクセスも稼げるんですけどね……。そういうのはね、自分の意見を曲げてまですることじゃないので率直に私の意見を書いていきます。
1 iDecoのメリットとは
イデコというのは個人型確定拠出年金という名前が示す通り自分で作る年金みたいなものです。
仕組みも年金そのもので、60歳まで毎年自分で決めた金額(上限有り)を掛け金として出し、その掛け金を元手に株や債券を運用し、60歳以降に受け取るというものです。
働いているうちに毎月お金を積み立て、老後に受け取るというスキームは年金と同じなのですが、年金と違う点は自分で積み立てたお金を全額自分で受け取ることができるという点です。
年金とかは、「あれ払った額より貰えないなぁ」とか、「早く亡くなったら損だよなぁ」となるわけですが、イデコに関しては自分で払ったものを60歳になったらまとめて貰うという仕組みなので、年金制度に対する不満や不安を抱えている人にとっては非常にいい制度と言えるでしょう。
そんなイデコの何よりものメリットは節税効果です。
なんとイデコ、掛け金として払った分のお金が全額所得控除の対象になります。
所得税というのはもちろん所得にかかる税金なのですが、イデコとして積み立てた分のお金は所得税がかからないのです。
毎年税金が増えるのが当たりまえになった昨今、払う税金が減るというのは大変うれしいですよね。
このほかにもいくつかメリットはあるのですが、本記事はどちらかというとイデコのネガキャン記事なのでメリットの紹介はこれだけにしておきます。
というかまあ、イデコのメリット9割は所得控除なのでメリットの紹介はこれで十分なのですが。
(なお、場合によっては60歳になって受け取る際に税金を払う必要があります)
2 iDeCoのデメリット
しかしiDeCoには大きなデメリットがあります。
それは60歳まで一切引き下ろせないこと。
年金だってそうですよね。毎回アホみたいにお金を取っていくくせに、貰えるのは老後という仕組みです。
イデコも正式名称をみると個人型確定拠出「年金」なので、貰えるのは老後という仕組みをちゃんと継承しています。継承しなくていいのにね。なので、60歳までに亡くなった場合に損をしてしまうというのは年金と同じです。
(普通の年金と違うのは、60歳になったら「まとめて」貰えるので、60歳を過ぎたら問題ない点です)
ちなみに、積立金を引き出せる主な例外は以下の二通りです。
1 加入者が死亡したときに遺族が受け取る
2 加入者が障害状態になったとき
まあ、1についてはそもそも引き出してる主体が自分じゃないですし、2も好き好んで満たしたい条件ではありません。
ということで、実質自分の都合で引き出すことは不可能なのです。
この「60歳まで引き落とせない」という仕組みこそが私がイデコを嫌う唯一にして最大の理由なのですが、なぜ私がこの仕組みを嫌うのかについて次項で書いていきましょう。
3 60歳まで引き落とせないという事実を甘く見てはいけない
今あなたに毎月2万円、使い道のない余ったお金があるとしましょう。
もちろん余っているのですから貯蓄に回されるわけですが、この記事を読んでいるあなたには
1 普通に貯める
2 イデコとして積み立てる
という二つの選択肢があります。他にもあるでしょとか言わないでくださいね。
もしあなたが自分の資産の最大化を狙うのならば選ぶべきは2の「イデコとして積み立てる」です。イデコには節税効果があるからです。多めに払った税金が戻ってきます。
所得控除の分あなたの資産が増えます。
しかし、自由に動かせるお金という観点からみたらどうなるでしょう?
イデコに使ったお金は60歳まで引き落とせないのですから、イデコにつかった2万円は自由に使うことができません。一方、普通に貯金した2万円は好きな時につかえます。
「自由に使えるお金」と書くと無駄遣いしちゃうイメージが湧いてしまうのですが、このお金にはいろんな使い道が考えられます。
メジャーなところとしては両親の介護費用、子供の教育資金、一時的な怪我の治療費、急なリストラに遭ったときの生活費などが挙げられます。急にスマホが壊れた場合などもすぐに直す・もしくは買い替える必要に迫られるでしょう。
もちろん全員が全員これらの用途にお金を必要とするわけではありませんが、とはいえ、急にまとまったお金が必要になるという経験はしたことがない人の方が少ないはずです。
そのようなときにイデコに積み立てたお金のせいで手元の現金が足りなくなってしまったらどうなるでしょうか?
……借金をするしかありませんよね。しかし、借金をしてしまうと利子を支払わなくてはならないので当然損をします。むむ。
このように、イデコに毎月お金を積み立ててしまうと手元に残る「自由に動かせるお金」が減ってしまい資金繰りに困る可能性が出てきます。
お金があるのに自由に使えないせいで生活が苦しい――なんて状態は如何にも馬鹿らしいです。
(とはいえ、ちょっとした慈悲の心があるのかイデコに使ったお金は自己破産しても差し押さえの対象にはなりません)
自由に引き出せないというのは無駄遣いできないと言い換えるといかにもよさげですが、実際には予定外の出費に対応できないというデメリットの方が勝るでしょう。
若い人になればなるほど、60歳という年齢が遠い分突然な出費に見舞われるリスクが大きくなっている分なおさらです。「60 - 自分の年齢」年イデコに使ったお金は使えないわけですから。
イデコには(サラリーマンなら)毎月2万前後しか積み立てられないという制限があるので、毎月10万も20万もお金が余って余ってしょうがないわぁという人ならその内の2万円を積み立ててもいいでしょうが、毎月3万円しか残らない(それでも残ってる方ですか?)という人が所得控除に惹かれて毎月2万を積み立てるのは危険です。
20年間経てばイデコにはおおよそ24*20=480万貯まるわけですが、そこで急にお金が必要になった場合にその480万を自由に使えないせいで苦労するかもしれません。
毎月3万しかお金が残らない場合、所得控除を得られない分お金は減りますが普通に貯金をするか、これから紹介するつみたてNISAを使った方がいいでしょう。
というか、毎月10万も20万もお金が余らない人が99%だと思うので99%の人にはイデコをおすすめしないというのが私の結論になります。
というか、そもそも60歳まで生きられるのかという問題もあります。
確率の話をすれば90%の確率で生きているのですが、途中で死ぬ可能性を考えるとある程度パーっと使って楽しい生活を送った方がいいという考えもあります。趣味で車買ったりとか、家族で旅行行ったりとか。
年金は無理やり取られるのであきらめるとして、イデコを使ってさらに自由に使えるお金を減らす価値があるのか、いわゆるQOLの視点から考えてもイデコは微妙だなと私は思います。
4 iDeCoの代わりとしてのつみたてNISA
ということで、イデコよりかはつみたてNISAを本ブログでは推奨します。
つみたてNISAは毎年40万円を限度しながらも、おおよそ20年間の運用益が非課税になる制度です。iDeCoの代わりとしておすすめしているので当然ですが自由に引き出せます。
所得税控除こそありませんが、イデコとは違い運用益は非課税なので単なる貯金ではなく債券や金投資を通じてある程度守りながらも資産を増やしていきたいという人にはおすすめです。もちろん株式にも投資できます。
もちろん、つみたてNISAと言えども投資は投資なので、引き出したいときに価格が下落していて思ってたより引き出せないという事態に陥る可能性は十分あるるのですが、それは債券に投資するなどしてコントロールすることは可能です。
投資をする、イデコに回すお金よりかはつみたてNISAに回すお金を優先した方がいいでしょう。
なお、こちらを使う場合は取引手数料を無料にしている証券会社が多いのでお好きな証券会社をお選びください。
さいごに
iDeCoについて書いた記事でした。
iDeCoは60歳地点での資産を最大化する手段ではありますが、その代わりに60歳になるまでの長期間資金を拘束し、資金繰りを悪化させます。
収入が高い人、もしくは既に資産を蓄えている40、50代の方は節税メリットの方が大きい場合もあるので一概にiDeCoの資金繰りが悪化するという側面を強調してはいけませんが、しかし、資産運用をする際に「資産の最大化」ばかりを考えるのも禁物です。
40代、50代の方にはいくつかのリスクを踏まえた上で私は預金型、つまりは元本保証型の運用をおすすめします。資産の成長は見込めませんが、確実に所得控除のメリットを得られます。
投資に詳しい人()は株式を薦めるのでしょうが、私にはそんな無責任なことはできません。
似たような話としては住宅ローンの繰り上げ返済もありますね。
繰り上げて返済すると将来の利払い費は抑えられますが、一方で短中期的な資金繰りが悪化します。その結果新しいローンを組むなんてなったら目も当てられません。
iDeCoに関するこの記事の考えに同意するかはともかくとして、お金については長期的な資産最大化と短中期的な資金繰りの両方の視点から考えることが大切だということは覚えておいて損はないはずです。
お読みいただきありがとうございました。
他記事宣伝
こいつ投資をしようとしてる人に冷や水かけるの好きですねぇ。当ブログは投資情報サイトであり、投資勧誘サイトじゃないので……。
iDecoともつみたてNISAとも全く関係ないのですが、松井証券だけは(自分が使ってるので)宣伝記事を書いたことがあります。とはいえ(下の記事では一切触れていませんが)iDecoの提供開始が遅かった松井証券は、規制のおかげで結果的に他より少しいいサービスを提供できるとか見聞きしたことがあるので興味ある人はググってみてください。