どうも、あいうえです。
今日は投資界においても意見が分かれるナンピン買いの是非について書きたいと思います。
とはいえ、タイトルを見れば分かりますが私はナンピン肯定派です。
本記事ではナンピン買いを肯定する理由と、実際にナンピン買いをするときの注意点について書いていきます。
1 普通はナンピン買いをしない理由の方がない
そもそも、ナンピン買いを否定できる理屈は存在しません。
むしろ、何かしらの根拠をもとに買った株を「株価が下がった」というだけで売る理屈を探す方が難しいです。
昔、割安株を逆張り気味に購入するときに私はこう書きました。
例えこの後数か月売りに売り込まれても、買う理由がある限りナンピン買いをすればいいのです。
至極当然の話です。
「100円だったら安いから買ってもいいな~」と思って買ったものが80円に値下がりをしたとして「じゃあ売ろう!」となりますか?
いやいや、100円なら安いって自分で言ってるじゃないですか。
もっと安く買えるチャンスが来たのなら普通は買うべきです。
2 ナンピン買いをしない方がいい場合
とはいえ、どんなときもナンピンすればいいというものではありません。
もう一度先ほどの私の言葉を引用しましょう。
例えこの後数か月売りに売り込まれても、「買う理由がある限り」ナンピン買いをすればいいのです。
今度は重要なところをカッコで囲んで太字にまでしました。
そう「買う理由がある限り」ナンピンをするのであって、「買う理由がない」or「売る理由ができた」のならば放っておくか売るべきです。
このうち、後者の売る理由ができた場合というのは簡単です。
言うまでもなく、最初に買いを入れた根拠が崩れたときです。
自分の見通しが間違っていた場合もありますし、予想外のサプライズ(不祥事など)によって根拠が崩れる場合もあるでしょう。
そのような場合にナンピン買いをしてしがみつくのは得策とは言えません。
しかし問題は前者の、買う理由がない場合です。
買う理由がないというのはあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、これは本記事の副題である【なぜ失敗をしてしまうのか】に深く関係する話なので次項でじっくりと語りましょう。
3 ナンピン買いとリスク管理
何度も書いていますが、普通は価格が下がったからという理由だけで損切をするべきではありません。
しかし、だからといってナンピン買いをすればいいというものでもありません。
なぜなら、新たな買いに際しては慎重にリスクを検討する必要があるからです。
最初の購入に際しては当然(であって欲しいのですが)その銘柄を購入することによる自分のポートフォリオの期待リターンの変化及びリスクの変化を考慮しポジションサイズを決めるはずです。
ちょっと自信があるからポートフォリオの20%をこの銘柄に当てようかなとか、そんなに自信がないから5%にとどめておこうかな、みたいな感じです。おおざっぱなものですが。
であれば当然、ナンピン買いをする際も同じようなことを考えなくてはなりません。
ナンピン買いというのは言うまでもなくポジションサイズを大きくする作業です。
ここで大事なのは、価格下落による割安度の上昇がポジションサイズを大きくしリスクを高めることを正当化できるか否かです。
少しの資金しか投入していない銘柄であれば気軽にリスクを積み増せます。
もともと全資金の5%しか投資していない銘柄があったとして、それを10%に増やしたところでポートフォリオ全体に与える影響は微弱です。
しかし逆に、もともと大きめの資金を投入していて大きめにリスクを取っている銘柄に対して追加のリスクを取るメリットは小さいです。なぜなら投資の原則である分散投資に反しているからです。
もともとポートフォリオの5割を占めている銘柄があったとして、その割合を7割に増やすことは(例え期待リターンが増えたとしても)慎むべき行為です。想定外のリスクに対する弱さ、ポートフォリオの脆弱性が増してしまいます。
そしてこれこそが「買う理由がない」パターンです。
ある銘柄を買うか否かというのは、あくまで自分のポートフォリオ全体との兼ね合いで決まるものであり、決してその銘柄だけで決まることではありません。
ある銘柄がとても魅力的なものであったとして、そしてそれが値下がりによってさらに魅力的になったとしても、自分のポートフォリオをよりよいものにできないのであればその銘柄をナンピン買いするべきではありません。
木を見て森を見ず的な姿勢が予想外のリスクに遭遇して大きな損を被る可能性を高めてしまうのです。
ナンピン買いをして失敗する人がいるとするのであれば、大きな原因がここにあるのだと思います。ある銘柄を購入するべきか否かというのは、その銘柄ではなく自分のポートフォリオ全体との兼ね合いによって決まるのだということを忘れてはいけません。
ナンピン買いがポジションサイズを大きくするという作業である以上、自分のポートフォリオ全体のことを常に気にするべきなのです。
さいごに
ということでナンピン買いの是非について書いた記事でした。
結局のところナンピン買いの危険な点というのは、ナンピン買いを繰り返すうちにいつのまにか一つの銘柄への集中投資になりがちであるという点です。
ポジションサイズを2倍にした結果リスクが3倍、4倍になってしまうというのはよくある話です。生態系の話ではありませんが、ポートフォリオの多様性が失われてしまうと想定外のリスクにどうしても弱くなってしまいます。
それは避けなければなりません。
このように、期待リターンの向上がすべてではないというところが投資の面白いところではあるのですがね。
お読みいただきありがとうございました。
過去記事宣伝
ナンピン買いをするか否かという選択は逆張り投資中によく出てきますが、下の記事は今回の記事と違いどちらかというと損切のタイミングについて詳しく書いています。
下がった際にナンピンをするか否かもできれば最初の買いのときに決めておきたいですね。下がってからナンピンを検討するのはあまりおすすめではありません。
下の記事の結論は「原油は割高だが、トレードをするタイミングではない」でした。この記事ででてきた「買う理由がない」に少し似ています。理由があるからと言ってポジションを持つ必要はないのです。