どうも、あいうえです。
債券ETFといえば有名かつ人気なのはAGG・BNDといったBloomberg Barclays US Aggregate Indexに連動するETFですよね。
確かにこれらは非常にいいETFなのですが、利回りが2-3%程度ということで購入時にかかる手数料(最低5ドル)のことを考えると買いにくい感じがしてしまいます。こう、手数料を回収するのにまず時間がかかるというか。
ということで、マネックス証券が行っているウィズダムツリー社のETFの購入手数料が無料になるサービス(ゼロETF)を見てみると、ウィズダムツリー米国債券ファンド・利回り強化型(AGGY)なるものを発見できます。
そうなると「手数料が無料なら債券ETFも買いやすいよねっ!」ということでぜひ使ってみたいのですが、AGGYは残念なことにあまり馴染みのないETFです。
なので本記事ではAGGYについてまとめていこうと思います。
1 AGGYはどうやって利回りを強化してるのか?
AGGYはその名の通りAGG・BNDの利回り強化版ということなのですが、そうなるとまず気になるのはどの程度利回りが強化されているのか、そして安全面はどうなのかということですよね。
まずは利回りについてみてみますと、これまでの歴史的には0.5-0.6%程度AGGYの利回りはAGG・BNDより高くなっています。
参考:AGGのベンチマークとAGGYのベンチマークの利回り差
ふむふむ。利回りは確かに強化されているようですね。
しかし、投資の世界というのはよくも悪くもしっかりしているので、利回りを増やすためにはリスクを積み増す必要があります。
リスクを積み増す方法ですが、債券においては2つしか方法がありません。
デュレーションの長期化と信用リスクの増加です。
(デュレーションというのは、金利が1%変わると債券価格が何%変わるのかを指し示す指標で、長ければ長いほどボラティリティが大きい、つまりリスクが高いことを意味します)
結論から言いますと、AGGYはAGGに比べておおよそ1年ほどデュレーションを長期化し、国債の一部を投資適格債に変更するなどクレジットの質を落としています。AGGの国債系:社債の割合は7:3くらいですが、AGGYは5:5になっているのです。
とはいえ、現実的な話をすればどちらとも「わずかに」レベルの差なので、あまり意識することはないと思います。
信用リスクが大きくなっているとはいっても、上のグラフを見てもらえば分かりますがリーマンショック時の値動きはしっかりしています。
これが社債オンリーの債券ETFや、ジャンク債ETFとなるとリーマンショック時には大きく値を下げ、利回りが急上昇することになりますが、AGGYはきちんとAGGと似たような動きをして、スプレッドも拡大していないので信用リスクは小さかったということがデータでもわかるわけですね。
従って、信用リスクについてはそれほど心配しなくてもよいでしょう。
デュレーションについても1年の差はあまり大きくありません。
結局、AGGYはAGG・BNDに比べて「ちょっぴり」ハイリスクハイリターンな債券ETFといっていいです。
経費率ですが、AGG・BNDが0.05%であるのと比較して、AGGYは0.12%です。
0.07%は利回り差が0.5%前後しかないことを考えたら少し大きいかもしれませんが、世の中の投資ブロガーが気にする割には誤差レベルのどうでもいいものですし、マネックス証券で購入すれば購入手数料がゼロになることを考えるとマネックス証券に証券会社を持っているならばこちらの方がずっとお得だと思います。
マネックスの口座を持っていないならばAGG・BNDとAGGYについては好きなほうを選べばいいと思います。
債券について強気ならばAGGYを買えばいいですし、弱気ならばAGG・BNDを買えばいいです。……とはいえ、デュレーションの差が1年しかないことを考えるとそれでも誤差レベルですがね。
さいごに
ということで、債券ETFを買うのに手数料払うのは流石に馬鹿馬鹿しいのではないかということで検討してみたAGGYですが、過去のデータを見る限り値動きはAGG・BNDとあまりかわらないようです。少し利回りがいい分、少しボラティリティが高いくらいですね。
マネックス証券に口座を持っている方はぜひこちらを検討してみてはいかがでしょうか?
お読みいただきありがとうございました、。
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