どうも、あいうえです。
今日はここ数年投資界隈をにぎわせ続けているテーマ、個別株とインデックス投資どちらがいいのか問題について私の考え方を述べたいなと思います。
とはいえ、インデックス派の私は個別株のことをよく知らないのでどちらかというとインデックス投資の宣伝みたいな感じになりますが、そこはご了承くださいませ。
1 私の投資スタンス
まず、私のスタンスについて説明させていただきますと、こてこてのインデックス派です。
個別株は(投資を始めた頃を除いて)一切触ってませんし、投資しようと思ったことすらありません。まあ、強いて言うならJNJ辺りは魅力的ですかね……。
そして、スマートベータを利用したり、重点を置く投資先を変えたりしてベンチマーク(VT・円換算)のアウトパフォームを目論んでいます。
……とはいえ、バランスを重視して債券を少なからずポートフォリオに組み込む派閥なので正直アウトパフォームは半ばあきらめています(笑)
宣伝
そんな私としてはインデックス投資は少なからず誤解されてるなーと思うところがあります。
よくある誤解ポイントをまとめてみました。
インデックス投資へのよくある誤解
市場平均に連動した成績を残せる
これに関しては「市場平均」を何とするかでも変わってくるのですが、VTやSP500、TOPIXなどと言った株価指標を市場平均としているのなら誤解であると言えます。
高配当インデックスを始めとしたスマートベータ、セクター別投資、尖っているもので言えばレバレッジ・インバース系のETFがある現在、インデックス投資だからといって市場平均に連動した成績を残すとは限りません。
もちろん、一般に市場平均とされている類の指数に連動するインデックスに資金の100%を投資するのならば市場平均に連動した成績になるのでしょうが、実際にそれを実践している人は驚くほど稀です。
(それはそれでおすすめの投資法ですがね……。「かけた手間に対するリターン」というものを考えるならば間違いなく最高であると言えます)
選ぶインデックスによって年間成績が二桁パーセント変わることもざらですし、インデックス投資=市場平均と考えるのは間違いでしょう。
インデックス投資はつまらない
これはどうでしょうか。
もちろん、ひたすら一つのインデックスに積み立てていくという投資をするならばつまらないでしょうが、多様なインデックスに投資できる現在インデックス投資だからといってつまらないとは限りません。
例えば一つの国の状況を調べたり、特定の商品(石油とか)について調べたりして個別国インデックスやセクターインデックスに投資することができます。
私がインデックス投資を好むのもこのためで、「A社は投資に値するか?」ということを考えるよりも、「この国は投資に値するか?」「今の経済状況は投資に値するか?」「このアセットクラスの展望はどうか?」といったことを考える方が好きで楽しいのです。
個別株が企業のファンダメンタルやその歴史・業績を分析してリターンを求めるものだとしたら、私の行っているインデックス投資はマクロな観点から同じことをやっていると言えるでしょう。
インデックス投資には「無知へのリスクヘッジとしての分散投資」という側面があるのですが、実際にはマクロ的な戦略で臨む投資としての使い方もできます。
グローバルマクロ戦略というとカッコつけすぎですが(実際のグローバルマクロはもっといろいろやってます)、簡易グローバルマクロではあります。
私の投資法は「ただひたすら一つのインデックスへ投資し続ける」という意味での純粋なインデックス投資ではありませんが、私から言わせてもらえば、インデックス投資を「ただひたすら一つのインデックスへ投資し続ける」ことだと捉えている方の視野が狭いだけです。
インデックス投資=長期投資
そういう意味ではこれも誤解だと言えるでしょう。
まあ、私のブログタイトルも「とあるオタクの長期投資」ではありますが、それは一つのインデックスに投資し続けるという訳ではありません。
常に市場に参加し続けることを目標とはしていますが、その過程で一部を売り払うことはあります。
例えば、逆張り気味に始めた投資先が数か月でフェアバリューに戻ったりしたら売り払いますし、その結果保有期間はたった数か月ということになります。
しかし、それがなんだというのでしょうか?
ある特定のセクターが安かったから買い、元に戻ったから売るというだけの話です。
そのセクターに属する個別株を買うよりもそのセクター全体を買ってしまった方がより効率がいいのは当然の理屈です。個別リスクがありませんからね。
インデックス投資=バイアンドホールドではないのです。
個別株投資について
ということで次はそんな私が個別株投資について語ってみようと思います。
私だって別に個別株投資が嫌いというわけではありません。
そもそも、市場効率仮説を信じてないという意味では仲間ですし、先ほど出した例で言えばマクロ的な視野でのバリュー投資と、個別株のバリュー投資はやっていることはさして変わりません。
というか、私自身個別株で出てくる類の知識は少なからず持っていますし、もっと言えば(これは正直かなり馬鹿にしているのですが)テクニカル分析の知識もかなりもっています。
テクニカル分析に関して言えば、多分世の中の多くの個人投資家より詳しいと思います。
そういう意味で、テクニカル分析を信じていない私よりも少ない知識でテクニカル分析を行っている人を見ると悲しい気持ちになります。
そんな私も今や移動平均線すら見なくなりましたねぇ……。
唯一、チャート分析だけは年単位でみてマクロ経済の動向を捉えるという意味では使ってます。
例
ただ、日単位のチャートをみて「ブレイクアウト」だの「三角持ち合い」だの言っているのを見てるとうーんとは思いますね。
数週間前の高値を超えたことが今後の動向にどう関係するのかぜひ御高説を拝聴したいものです。
とか言いながら上の記事ではトレンドのブレイクという用語を使っているのですが(笑)
まあ、ブレイク云々はその記事の重要なところではないという言い訳をみっともなく書いておきます。数十年に及ぶトレンドがブレイクされたことは非常に興味深い話ではあるのですが、別にトレンドがブレイクされたこと自体に深い意味はありません。
話を少し戻しまして、私が個別株投資をしていない理由を書きましょう。
私が個別株投資をしないのは、いちいち個別株を見るのが面倒だというのと、情報の非対称性が理由です。
面倒というのは分かっていただけると思うので、非対称性について述べさせてもらいます。
そもそも、マクロ動向というのは機関投資家でも私でも似たような情報が手に入ります。ある国の政策金利なんてググれば一瞬ですし、その他の情報も同じです。
ただ、個別株投資に関して言えばかなり情報が非対称だと思います。
実際にインサイダー紛いの取引をしている人が少なからずいると思いますし、投資銀行は企業の内部の人と昵懇だったりするわけです。
もちろん全部が全部そうではないと思いますし、それが株価に大きく影響を及ぼすわけではないとは思いますが、ちょっと気になります。
そうである以上、マクロ的な投資で満足している現状個別株に手を出す意味が自分にはありません。
さいごに
ということで、比較とか言いながらかなりインデックスに寄った偏った記事になってしまいました。
実際インデックス派だから仕方ありません。
私がインデックス派な理由はこれまでに書いた通りですが、そこに書かれていないことを補足しておきますと、一つ「いかなる投資法であってもマクロ経済の動向を無視してはいけない」というのは強い信念としてもっています。
例えテクニカル分析を駆使したデイトレードであったとしても、マクロ経済の動向は頭に入れてしかるべきだと思います。ある程度のホールドを予定している個別株投資ならなおさらです。
ミクロな要素である個別株がマクロ経済に影響を及ぼすことは基本的にはありません。リーマンブラザーズの破綻だって、破綻したのがリーマンブラザーズだったこと自体に意味はありません。
一方、マクロな動向は個別の株にも影響します。
例えばXOMが素晴らしい企業だったとしても、原油価格が低迷していたらXOMの業績が悪くなるのは必然です。原油価格が低迷している・これからしそうだと予想されるのならば、明らかに売られ過ぎているものを除いて原油関連企業に投資するのは控えるべきでしょう。
追記:
この記事を書いた後になにやら最近XOMが大幅下落したことを知りました。XOMはなんとなく例に出しただけで、深い意味なんてないことを書き添えておきます。
それはセクター別ではなく広く国別でみてもある程度は同じことが言えると思います。
割安な国と割高な国があったとして、割高な国の個別株にばかり投資するのはあまり賢いとは言えません。
そういう意味で、マクロな動向をある程度捉えた上でリターンを増やすために個別株に投資をするのはいいと思いますが、マクロを一切知らずに投資するのはいかがなものかと思います。
(まあ、個別株投資と言っても千差万別なのでひとまとめにくくっている上の議論は乱暴なものです。数十銘柄に分散した上でのバイアンドホールドならば実際にはそれほど気にしなくてもいいと思います)
入り口は個別株でもいいとは思いますが、成績向上を狙うならそれだけにこだわらず、マクロ動向の勉強をした方がより効率が良くなるはずです。
大は小を兼ねるとは言いますが、投資においても似たようなものかもしれません。マクロ経済を読み解くことは個別株投資にもつながるのです。
というか、今書いたマクロに関する知識云々がこの記事で一番重要かもしれません……。
なにはともあれ、お読みいただきありがとうございました。