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日本国債ファンドは危険!?【国債の投資信託に対するよくある誤解とは】


どうも、あいうえです。

 

国債全般、そのなかでも日本国債は(リターンも少ないけど)低リスクだということで比較的人気の高いアセットクラスの一つです。

 

しかし一方で「国債が低リスクだというのは間違いであり、元本割れもしうる」といった言説もよく聞かれます。

 

果たしてどちらが正しいのでしょうか?

 

 

1 債券投資には二通りある

 

債券投資にはいわゆる生債券への投資と投資信託の投資の二通りがあります。

 

生債券に代表されるのが個人向け国債ですね。

 

というか、生債券に関して言えば個人向け国債以外は購入手数料・売買単位の大きさ・(外国債券なら)為替リスクの管理が非常に面倒なので正直おすすめしません。

 

一方で、今述べたような様々な面倒ごとを信託報酬を払う代わりにすべて運用会社に投げてしまうこともできます。それが投資信託です。

 

最近はパッシブ運用を行うインデックス投信が流行りですが、一方で債券に関してはアクティブ運用の 方がいいという言説もあります。

 

 

信託報酬との兼ね合いもありますが、私個人的には債券はアクティブ派だったりします。

 

2 生債券は元本割れがないけど、投資信託は元本割れするという話

 

そこでよく言われるのが、投資信託は債券と言えども元本割れするリスクがありますよーという話です。

 

詳しく説明すると非常に面倒なので、ここではそのおおざっぱな中身を紹介しようと思います。

 

1 生債券は満期まで持てば元本割れしない

 

デフォルトしない限りは大丈夫です。そして国債はデフォルトしないです。

 

みんな大好き元本保証。

 

2 金利が上がると債券価格は下がる

 

ここからが少しずつ難しくなっていくのですが、金利が上がると債券価格が下がるという事実があります。

 

端的に言えば、金利が低いころに発行された債券は金利が高い債券が発行されると価値が下がってしまうというのが理由です。

 

3 ということは、金利が上がると投資信託の基準価格が下がる

 

これも合ってます。投資信託が保有している債券の価格が下がってしまうと、基準価格も下がってしまいます。

 

債券投資にはデュレーションという概念がありまして、「金利が1%上がると債券価格がどれくらい下がるのか」というのを意味します。

 

よくある日本国債ファンドのデュレーションは7年くらいなので、日本国債の金利が1%上がると債券ファンドの基準価格が7%下がります。

 

もっとも、ファンドにデュレーションという概念がどれくらい当てはまるのかという問題はありますが、実用面においてはそのまま当てはめて困ることはありません。

 

4 マイナス金利になっている日本では、金利が上がることがあっても下がることはない

 

まあ、未来の予測はできないのでなんとも言えませんが、私もこれには賛成します。

 

5 だから債券ファンドは危険!生債券にしなさい!

 

だから個人向け国債にしたほうがいいですよ~。元本割れしないから。

 

3 投資信託は元本割れリスクがあるから危険、という言説の間違いとは

 

いやー見事なまでに投資信託が危険だという事実が証明されてしまいましたね。

 

しかし、上で紹介した言説は一個一個は間違いではないものの非常に「せこい」類のものだと言わざるを得ません。

 

「デュレーション」という概念のもう一つの大事な側面を知ればそんなことはないとわかります。

 

デュレーションの正しい理解

 

デュレーションは先ほど説明したような「金利が1%上がったら債券価格がどれくらい下がるのか」という意味があります。

 

しかし、実際のデュレーションは「債券の平均回収期間」という側面もあります。

 

……というか、後者が本当のデュレーションの意味です。

 

もっといえば、金利が1%上がったら債券価格がどれくらい下がるのかという意味で使われるのは修正デュレーションの方です。

 

とはいえ、デュレーション=修正デュレーションとしても実用面ではさして困らないので本記事では使い分けません。

 

そんなデュレーション君には実はこのような意味があります。

 

1

債券の利息を再投資する限りにおいて(ファンドなら分配金を再投資すればいい)、運用期間(ファンドの保有期間)がデュレーションと同じならば金利リスクはゼロである。

 

2

運用期間がデュレーションより長い場合は金利が上昇したら収益が大きくなる。

 

例えばファンドのデュレーションが7年の場合を考えてみます。

 

まず、金利が上がると短期的には損をします。

 

しかし、金利が上がるとその分得られる利子が大きくなります。当然ですよね。

 

そこで、その利息を常に再投資し続けてます。

 

すると、7年以上分配金を再投資しながらファンドを持てば必ず利益が出るどころか、金利が変わらなかった場合よりも大きな利益を得ることができます。

 

つまり、デュレーションと同じ年数持つと、

 

金利の上昇による債券価格の下落

金利の上昇による利子の増加

 

がちょうど釣り合って±0になるのです。

 

それがデュレーションのもう一つの(そしてより重要な)意味です。

 

デュレーションの正しい意味を踏まえた運用戦略

 

もしあなたが7年後を見据えて投資をするのならば、日本国債の7年物を買うのとデュレーションが7年の日本国債ファンドを買うのはほぼ同じです。

 

いくら金利が変わろうと、あなたの得られるリターンは一定です。

 

さらに言えば、日本国債の金利が上がると予測する場合は投資期間よりも短いデュレーションをもつ債券ファンドを選ぶこともできます。

 

例えば「子供の教育資金のために10年間資産運用を行いたい、でも元本割れはしたくないなぁ」という場合に10年物の国債ではなくあえてデュレーションが7年の日本国債ファンドを購入したとしましょう。

 

その場合、金利が上がった方が10年物の国債を購入した場合に比べてより多くの利益をあげることができます。

 

逆に金利が下がったとしても10年物の国債を買った時に比べると損をしますが、元本割れする可能性は低いです。

(元本割れするのは7年目以降に急激に金利が上がった場合なので、7年目に一旦売却しておくのが吉だとは思います)

 

個人向け国債は元本保証がある代わりに利回りが低めに設定されているので、もしあなたが10年後20年後を見据えた投資をしたいのならば素直に国債ファンドを買った方がいいです。そちらの方がより利益がでますからね。

 

逆に、短期的(といっても10年以内ですが)にまとまったお金が必要になった場合に備えたいという人は元本保証がある個人向け国債の方がいいかもしれません。直近2回の利息を払えばすぐに売却できます。

 

国債ファンドはデュレーションよりも短い年数においては含み損を抱える危険性がありますから、そこのリスクはどうしてもあります。

 

(注:本記事では手数料のことを考えていません。債券ファンドには購入手数料が1%とかいうぼったくりもあるので、そこらへんはきちんと確認しましょう。普通に0%のものがたくさんあります)

 

さいごに

 

ということで、日本国債についての記事でした。

 

私個人は、買ったとしてもデュレーションより長い年数持つことはないだろうということで日本国債ファンドは購入していません。

 

いやお前持ってないんかい!と突っ込まれそうですが、実際問題デュレーションより長い年数を持たない予定ならば、正直日本国債は価格下落リスクが大きいです。

 

しかし、それこそ子供の教育資金や、老後の生活を見据えてある程度長い年数運用したい(けれども元本割れは極力避けたい)という人にはおすすめなのが債券ファンドです。

 

デュレーションと同じ年数(もしくはそれ以上)持てば基本的には元本割れしません。そうならば金利が高い分個人向け国債よりも優秀でしょう。

 

正直、デュレーションの正しい意味も知らずに「債券ファンドは危険!金利が1%上がると7%も損する!」とか書いてある記事をみると「はぁ……」となってしまいます。

 

満期があるから名目上は損をしないのが債券なのに、債券ファンドになった途端に名目上ですら損する可能性がでてくるなんてそんなおかしな話があるわけがありません。

 

もちろん、債券ファンドの方が必ず優秀というわけではないので、個人向け国債とどちらを選ぶかは皆さんの自由です。自分の状況と照らし合わせて考えてみてください。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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