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キャリートレードと円高の関係【有事の円買いはなぜ起こるのか?】


どうも、あいうえです。

 

有事の円買いは日本在住の投資家には天敵と言ってもいい存在です。

 

北朝鮮リスクですら買われるとは何事か!?と驚かれた方も多いかと。

 

そんな有事の円買いの理由はいくつかあると言われているのですが、大きな要因の一つとされるのが「キャリートレード」と言われるトレードの影響です。

 

ということで今日は、いわゆるリスクオフの円買いの理由をキャリートレードの面から分析してみます。

 

何かあるたびに円が買われ、北朝鮮リスクですら円が買われる理由はなんなのか、そしてその傾向はいつまで続くのか、の二つについてある程度の知見を得ることを目的とします。

 

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1 有事の円買いが起こる理由

 

つい先ほども書いたのですが、有事の円買いが起きる理由はいくつかあります。

 

そのなかでよく聞かれるのは「日本円が安全だから」という理由です。

 

しかし、これはいくつかの面で不十分であると言えます。

 

1 安全という話なら、国際的にはドルが買われるはず

2 日本は世界最大の対外純資産を持っているという話だが、GDP比で言えばスイスなどに負けているし、ドイツと同程度である。

 

この二つが主な理由です。

 

もちろん、円が世界三大通貨としての安全面を評価されて買われているという一面もあるでしょうが、それでは世界一の安全通貨とされているドルよりも買われている理由が説明できません。

 

リーマンショックの時の円高ドル安の印象が強い方もいると思いますが、あの時も正確に言えば「円もドルも高くなったけど円の方がドルよりも高くなったから円高になった」のであって、ドルの絶対的な価値が安くなったわけではありません。

 

円の信用度で説明できない部分こそが、何度か出ている「キャリートレード」です。

 

その定義は以下の通りです。

 

キャリートレード

 

金利の低い通貨で資金を調達して、金利の高い通貨で運用することで利ザヤを稼ぐ手法

 

円で資金を調達する場合を俗に円キャリーといい、運用過程で円売り他通貨買いが起こるため円キャリーが拡大すると円安要因に、縮小すると(巻き戻されると)円高になる。

 

このように書くと少しわかりづらいのですが、身近な例で言えばFXでのスワップポイント狙いはキャリートレードの一種です。

 

スワップポイントは両通貨の金利差で決まるのでその定義にぴったしとあっています。

 

もちろんスワップポイント狙い以外にも様々なキャリートレードがあるのですが、ここで大事なのは後半の「円キャリーが拡大すると円安に、巻き戻されると円高になる」という部分です。

 

つまり、キャリートレードを行っている人が「リスクが高いなぁ~ポジションを一旦手仕舞うか」と思ってポジションを解消すると円高が進むということです。

 

……ん? リスクが高くなると円が高くなる……?

 

そう、これこそが有事の円買いの正体です。

 

なので、有事の円買いも正確に言うと「売られていた円が買い戻されている」といった表現が適切なのです。

 

日本円は世界的に見ても低金利な通貨なので、キャリートレードにめっちゃよく使われます。

 

そして世界中がリスクオフになった途端、キャリートレードのポジションが解消され、売られていた円が買い戻されるのです。

 

北朝鮮リスクで円が買われたのもこのキャリートレードの巻き戻しが原因です。

(後述しますが、アルゴリズム取引も犯人の一人です)

 

もっと詳しくキャリートレードについて知りたい方へ

 

ん? キャリートレードって理論的には期待収益は ±0 なんじゃないの?

 

と思った方には日銀のこちらの資料をおすすめします。

 

キャリートレードと為替レート変動―― 金利変動が市場参加者のリスク認識に与える影響 ―― : 日本銀行 Bank of Japan

 

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2 これからも有事の円買いは続くのか?

 

有事の円買いの犯人がキャリートレードであるということは先ほど書きましたが、その傾向はこれからも続くのでしょうか?

 

もちろん、円が低金利通貨である限り有事の円買いは起こるという答えが考えられます。

 

円が低金利通貨である限り円キャリーは有力な投資手法の一つですからね。

 

しかし、実のところリーマンショック以降は情勢が少し変わっています。

 

それについて解説していきましょう。

 

これ以降の画像はすべて以下のサイトから引用したものです。

政策金利一覧│FXを始めるなら外為どっとコム

 

まずはリーマンショック直前、すでに世界経済が変調になっていた2008年の各国の政策金利を見てみましょう。キャリートレードでいうところの「低金利通貨」は政策金利が低い通貨を指します。

 

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こちらを見ていただくとわかるのですが、0.5%である円の金利に対して他通貨の金利は最低でも2.75%以上あります。

 

このような状況では円キャリーが盛んになるのは簡単に理解できるでしょう。

 

次は2018年の状況をみてみます。

 

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まず、全体的に金利が下がっていることはあまり問題ではありません。

 

キャリートレードは両通貨の金利「差」を利用するトレードですからね。

 

……しかし、こうしてみると円よりも金利が低い通貨があることに気付きます。

 

そう、ユーロ・スイスフラン・スウェーデンクローナの三つです。

 

あれ? 金利差を利用するなら、円じゃなくて円よりも金利の低いこれらを使った方が有利ですよね?

 

私が先ほど情勢が変わっていると申し上げたのはまさにこの部分でして、近頃は円以上に低金利な通貨がでてきているのです。

 

当然ですがこのような状況では円キャリー以上にユーロキャリー・スイスフランキャリー・スウェーデンクローナキャリーの方が盛んになりやすいです。

 

……ということは、次の「有事」では警戒したほどの円高が起こらない可能性があります。

 

これが今回の結論なのですが、もう少しだけ補足をしておきます。

 

これ以降有事の円買い自体が起こらないということはないというお話です。

 

そもそも、キャリートレードの主要調達通貨じゃなくなったからといっても円が低金利かつ信用の高い通貨であることに変わりはありません。本邦の投資家を中心としたキャリートレード自体は盛んと言えば盛んです。

 

何かがあったときにある程度買われることは覚悟しておくべきでしょう。

 

さらに言えば、近頃の取引の大半を占めていると言われるアルゴリズム取引において「リスクオフ → 円買い」が組み込まれている可能性が非常に高いというのがあります。

 

こちらは投機筋ということで短期的な円買いに終わる可能性もなくはないのですが、オーバーシュートする可能性が非常に非常に高いです。

 

いずれにせよ、キャリートレードとは関係なく「何かがあったら円高になる」という傾向はしばらく残るでしょう。

 

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さいごに

 

ということでキャリートレードと円高のお話でした。

 

近頃はあまり聞かなくなった円キャリーですが、知識として持っておいて損はないでしょう。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

他記事宣伝

 

円高が怖い場合は為替ヘッジをつけるべきです。

リターンは少し下がりますがリスクリターン比はよくなりますし、私も場合によっては普通に行う予定です。

 

こういうことを常々考えておくだけで、いざというときに混乱しなくてすみます。

投資が好きでないとつまらないかもしれませんが……。