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為替ヘッジの理論と実践【為替ヘッジありとなしの違いとは】


どうも、あいうえです。

 

今日は為替ヘッジについていろいろと調べたので、自分向けの意味も少し込めてまとめてみました。

 

正直自分は調べるまでは為替ヘッジいらない派だったのですが、調べていくうちに「そんなに単純な話ではないな?」と少し思い始めたのでそこも少し共有出来たらなと思います。

 

 

また、本稿ではやりやすさ・わかりやすさを重視し、為替ヘッジはFXによって行うものと仮定します。

 

 

1 為替ヘッジの効果

 

為替ヘッジは外貨建て資産を運用する際に、為替リスクを軽減するために導入されるものなわけですがそもそも実際にどれくらいの効果があるのでしょうか?

 

J.Pモルガン・アセットメント株式会社様が分かりやすいグラフを作ってくださっているのでそれを引用したいと思います。

 

https://www.jpmorganasset.co.jp/wps/portal/Home

Market Insight に下記の図が載っています

f:id:syougisyougi:20180410215522p:plain

 

色々な四角がありますが、ここで見て欲しいのはバツ印の場所です。

 

十資産を均等配分した場合の為替ヘッジの有無によるリスク及びリターンを表したものです。

 

これから分かるのは以下の二つです。

 

1 リターンはヘッジなしの方がいい

2 リスクリターン比(シャープレシオ)はヘッジありの方がいい

 

まあ、これをどう捉えるかはかなり難しい話です。なぜなら、これはあくまで過去のデータであり、将来どうなるかを保証するものではないからです。

 

もしかしたら今後どんどん円高が進んでヘッジありの方がそもそもリターンが良かったね、となるかもしれませんし、円安が進んでヘッジしてる人がうわー馬鹿なことをしたーとなるかもしれません。

 

ということでここからは為替ヘッジの良し悪しよりもむしろ、副題としての【様々な為替戦略】の方に重点を移していきます。

 

備考

 

とはいえ、どの通貨を基準にしてみても為替ヘッジありは為替ヘッジなしに比べてリスクリターン比が改善することが多いようですので、リスクを減らしたい場合にはとりあえずヘッジしておく方が私的にはおすすめです。

 

2 様々な為替戦略

 

そもそも、為替ヘッジは数多くある為替戦略の一種でしかありません。以下はいくつかの為替戦略を紹介していきたいと思います。

 

1 一部だけをヘッジする

 

為替ヘッジというのは、例えば1万ドル分の海外資産を持ったならばそれと同じだけのドル円ショートポジションを持てば実現するわけですが、冷静に考えて「同じだけ」のショートポジションを持つ必要はあるのでしょうか?

 

別に、50%だけをヘッジするということで5000ドル分のショートポジションを取ることも可能です。

 

先ほどで言えば、二つのバツ印の間を取ることもできるわけです。

 

そして、債券運用に関して言えば70~80%程度の為替ヘッジを行うことによってリスクリターン比を最大化できるという話があります。

(リターンの最大化は基本的にはゼロヘッジによって実現できます)

参照:

https://www.tr.mufg.jp/houjin/jutaku/pdf/u201602_1.pdf

 

 

また、自分の外貨建て資産を100だとしたときにそのうちの60だけをヘッジしたり、運用しているうちの債券だけをヘッジしたりもできるわけです。

 

フルヘッジにこだわらなければ、比較的柔軟に為替ヘッジは行えます。

 

特定の通貨へのエクスポージャーを持たないという意味では有力なように思えますし、私自身も部分ヘッジはしばしば使う手段です。

 

2 別の通貨でヘッジする

 

例えば今米国債券を運用していたとしましょう。

 

もしここで為替ヘッジをしたいならば、ドル円のショートに着手するわけですが、別にドル円を使ってヘッジをしなければいけないというルールなんてありません。

 

例えば、ユーロ円のショートを行ってもいいわけです。

 

今現在ドル円ヘッジはヘッジコストがかかりますが、ユーロ円を使えばヘッジプレミアムといって逆にお金がもらえます。

 

もちろん、その分肝心の円高に対する耐性は減ってしまうのですが、別の通貨を使ったヘッジの方がうまみがあると判断されるならばそうしてもいいわけです。

 

少なくともユーロ円に関して言えば、肝心の円高ドル安のときに円高ユーロ安に振れてくれるかは微妙だと私は考えています。

 

正直、別通貨を使った為替ヘッジはこの記事で紹介するなかでは一番意味がないと思います……。

 

ヘッジがメインというよりは、割高だと思われる通貨を為替ヘッジの意味も込めて売るという方が考えとして正確だと思います。

 

3 為替リスクを転嫁する

 

例えば米国債を運用していたとして、ドル円のリスクだけを取らなければいけないなんて決まりはありませんよね。

 

今、米国債の運用に加えドル売り豪ドル買いのポジションを作ったとしましょう。

 

するとポジションはこうなります。

 

ドル円のロング

米国債の購入

豪ドル / ドルのロング

 

ドル円のロングと豪ドル / ドルのロングは一つにまとめられるのでまとめましょう。

すると以下のようになります。

 

米国債の購入

豪ドル円のロング

 

この場合、米国債の購入においては一切の為替リスクが存在していません。

だって、ドル買ってませんもの。

 

その代わり豪ドルのロングポジションができ、そこで為替リスクを負っています。

 

この場合豪ドル円が円高に振れたら損しますし、円安になったら得をします。

 

もう一度言いますが、ドル円のリスクは一切負っていません。

 

このように、ちょっと頑張れば、別の通貨に為替リスクを転嫁できるのです。

 

これはタイミングを探せば使い道が多そうです。……そのかわり金利が複雑に絡んで面倒ですが。

 

さいごに

 

ということで、為替戦略についての記事でした。

 

為替ヘッジの良し悪しについては「未来は分からない」というのが私の結論なのですが、しかし為替ヘッジ、それもフルヘッジにこだわらなければ意外なまでに幅広い為替戦略をとることができます。

 

もちろん、幅広い戦略があるからといってその戦略を実行に移す必要はないわけですし、複雑なトレードをすればいいってもんでもありません。

 

ただ、そのようなトレード手法があるという知識は蓄えておいて損はないものだと思います。いつか使えるときが来る可能性は高いですからね。

 

少なくとも、為替ヘッジをつけるとシャープレシオが向上するという事実は覚えておいて損はありません。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

為替ヘッジって短期調達長期運用? 2018年6月追記 

 

ある日気付いたというか、思ったのですが、為替ヘッジとはいわゆる短期調達長期運用と同じなのかもしれません。

 

短期調達長期運用とは、短期でお金を借りそれを常に借り換えながら長期債で運用することで長短金利差を利益に変える手法ですが、短期の変動(大体三か月?)を常にヘッジしながら長期債を運用するのは形式上それと同じです。

 

そう考えると為替ヘッジ付きの投信・ETFはお得かもしれません。なんせ、信用力が低いがために個人がなかなかできない短期調達長期運用ができるわけですからね。

 

そういう意味で為替ヘッジとは、リスクを長短金利差に転嫁することと見てもいいかもしれませんね。

 

もちろん、為替と金利の関係はもっと複雑なのでそう単純化することはできなのですが、そのような側面を知っておくといいと思います。

 

追記:その2ができました。

為替ヘッジの理論と実践その2【結局のところ分散】 - とあるオタクの長期投資

 

他記事宣伝

 

昔書いた為替についての記事です。次回の景気後退に備えるために知っておくとよい知識かもしれません。

 

 モーゲージREITも短期調達長期運用の一種です。