どうも、あいうえです。
この記事ではポートフォリオについて、自分がどのように決めているかなどをお話できたらなと思ってます。
タイトルには【バランス重視】なんて書いていますが、自分はバランスを重視しないタイプのポートフォリオはあまり好きではないので「バランス重視じゃない編」みたいな感じのは予定していません。ご了承ください。
また、具体的な銘柄には言及せずに、アセットアロケーションについてのお話となります。
具体的な銘柄については以下のカテゴリーの記事にある私のポートフォリオなどを参照してください。
基本的にはETFを使うことが想定されています。
1 株式
全体的なコメント
どういう方式でいこうか迷ったのですが、アセットクラスを一つ一つ章立てにして、それに対するコメントを書いていく方式で行きます。
ということで最初は株式から。
やはり投資の王道は株式です。誰がなんと言おうと株式です。こいつなくして投資は始まりません。
そんな株式の特徴はやはりその圧倒的なリターン。歴史的に年7%程度(インフレ調整済み)のリターンをたたき出しています。
二度の世界大戦、その間にあった大恐慌、石油危機、ブラックマンデー、リーマンショックなどいくつもの修羅場を切り抜けた結果のリターンですから資本主義の空恐ろしさがわかるというものです。
今後そのリターンが落ちたとしても、他のアセットに比べ相対的に高リターンなのは変わらないので安心して投資できる対象です。
で、具体的なポートフォリオへの組み入れ割合ですが15%~50%くらいが妥当だと思われます。
まずは下限である15%についてですが、これは株式への信頼に基づくものです。
やはり高リターンをたたき出せるこいつを最低これくらいは入れておかないと投資としての旨味がありません。いくら割高でも、いくらバブルだろうと思っても最低限これくらいは常に入れておくべきでしょう。
次は上限である50%についてです。
これについては難しいところですが、私としてはこれくらいが限界だと思います。
株式は高リターンの代わりに非常にボラティリティが大きく、一年で6割もその価値が減ることがあります。
その中で、年7%と言われるそのリターンを享受できるくらい長期間に投資を続けるためには株式の割合は半分が限界です。
先ほど申し上げた年7%というのは最低10年、できれば20年以上投資を続けた場合の話です。おそらく、その間には6割とはいかずとも株価が半減することが2度くらいあるとは思っておいていいでしょう。
そう考えると、50%くらいが上限だと私は考えます。
参考:【株式のリターンは年7%?】複利の力という怪しいワードに気をつけよう
では、次からは株式のなかでの国内株式、先進国株式(除:日本)、新興国株式の割合を考えてみましょう。
なお、想定組み入れ割合は株式に振り分けた資金のうちの何%を割り当てるかという意味での組み入れ割合です。これは債券でも同じです。
国内株式
想定組み入れ割合:0%~50%
外国投資をしている方からの圧倒的な不支持を誇る国内株式くんです。
外国株も為替込みリターンとなると意外と国内株式君とそんなに変わらないんですけどね……。
とはいえ、私も国内株式の組み入れ割合は1%を切ってます。
やはり、日本という国の将来への不信感がでかいですね……。あと、これまたよく言われますが日本の会社はコーポレートガバナンスがガバガバなので株主にとってうまみが少ないです。例:☨配当性向30%☨
とはいえ、いいニュースもありまして、長期保有においては配当込みですと意外とリターンは悪くありません。
バブル絶頂期に購入してもギリギリ利益が出るくらいにはリターンは悪くありません。
……ただ、最近の株高は日銀と日銀と日銀のおかげなのでなんともいえません。
量的緩和、マイナス金利導入に飽き足らずETF買い入れまでしているのは流石に日本くらいですので。
それでも最大割合を50%にしているのは、私及び想定読者が日本在住の方だからです。
全てが円で動くというのはそれだけで魅力的です。
先進国株式
想定組み入れ割合:20%~80%
ここでの先進国とは北米、ヨーロッパ、オセアニアを指します。
先進国は株式のリターンが新興国に比べて悪いのが特徴です。
しかしその一方、政治リスク・為替リスクは比較的小さく安定しているのがいいところです。
いかなる場合も最低いくらかは投資しておくべきアセットクラスだと思います。
新興国株式
想定組み入れ割合:0%~50%
最後は新興国株式。
高いボラティリティと高いリターンが特徴です。
高リターンにつられてついつい新興国100%なんてやりたくなってしまいますが、そこは抑えましょう。
私もそのリターンにつられて組み入れ割合は50%ギリギリまで伸ばしていますが、それでもこれくらいが限界です。
新興国の方が長期的なリターンがいい、というだけの話ですので短期的には先進国の方がリターンがいいなんてことはしばしばありますから。
また、新興国に関しては先進国以上に分散を心がけましょう。
ちょっと目を離せばハイパーインフレーションしているのが新興国ですからね……。
個別リスクはできうる限り抑えておくべきです。
とか書いてたらちょうどロシア株がたった一日で10%以上(為替込みだともっと)下落したみたいですね……。
これはハイパーインフレーションはまったく関係ないですが、こういうことが起こりうる資産クラスであると覚悟をもって投資してください。
このような下落が存在すること自体は投資判断を左右するものではないのですが、ちゃんと覚悟をもって投資しないとこういうときに狼狽売りする羽目になります……。
2 債券
全体的なコメント
投資界の名脇役といえばこいつです。
想定する組み入れ割合は30%~70%です。
まずは下限の30%についてのコメントから。
この下限30%というのは債券のメリットを受ける上では最低限必要な組み入れ割合だと考えます。これくらいはないとバランスの取れたポートフォリオとしては失格です。
次に上限の70%についてですが、さすがに70%以上を債券で埋めてしまうと期待リターンが低すぎるポートフォリオになってしまうのでこれくらいが限界です。
ただ、一方でこいつを単なる「安全資産」だと思ってると痛い目を見るということは覚えておくべきです。
せめて自分の投資先がどの程度の金利リスクと信用リスクを抱えているかは把握しておくべきでしょう。
日本国債 現金(日本円)
想定組み入れ割合:0%~80%
日本国債は、私が唯一投資をおすすめしないアセットクラスです。
日本国債に投資するくらいなら日本円を現金で持っていた方がずっとましだと思うのは私だけでしょうか?
雀の涙ほどもない利回りを考えると、現金として保有しておいて流動を確保しておいた方がいいでしょう。
なので、現金を日本国債扱いとして組み入れ割合を0%から80%とします。
普段は円高で困ってしまうのが私たち日本在住の投資家ですが、裏を返せば最高のリスクヘッジとなるのが日本円です。積極的に使っていきましょう。
ただ、有事の円買いは未来永劫続くトレンドではないので、それだけ注意が必要です
先進国債券
想定組み入れ割合:20%~80%
まあ先進国債券と一言で言っても短期国債、長期国債、投資適格社債、ジャンク債、モーゲージ債まで広く含まれるのですが、基本的には投資適格以上の信用リスクの低いものがいいでしょう。基本的には。
ただ、一つだけ注意しておきたいのは、短期国債はもはや為替をどう読むか次第だということです。実際、短期国債はFXのスワップと変わりません。
円安を想定する場合は先進国の短期債を買えばいいですし、円高を想定する場合は日本円で持っておきましょう。
なお、ある程度金利リスクを取るとするのなら、今度は逆にどの通貨で債券を持つかというのが重要になってきます。
新興国債券
想定組み入れ割合:0%~50%
新興国債にはドル建てと現地通貨建てがあり、魅力度でいうといい勝負なのですが、どちらかと言えばドル建てを私は選好したいと思います。
ドル建て新興国債券は為替ヘッジをしてもなお十分と言えるリターンをくれますし、しない場合でもドル円はなんだかんだ言って安定しています。
現地通貨建ても悪くはないのですが、高いインフレ率を考えると実質金利(名目金利からインフレ率を引いたもの)が低い場合があり、必ずしも有望ではありません。
インフレ率が高いということは、名目利回りの内の少なくない部分が円高現地通貨安という形で為替によって打ち消されてしまうことを意味しますからね。そこらへんは情報を収集しればいいといえばいいのですが、面倒ですし、もしインデックス投資という形をとるとなるとそこら辺の取捨選択ができなくなります。
まあ、ドル建て新興国債券をよりハイリスクハイリターンにしたものが現地通貨建て新興国債券だと思ってもらえれば大体は問題ない気がします。
そして、いずれにせよ新興国債券は有事には売られる対象であることにも注意が必要です。
3 オルタナティブ
全体的なコメント
正直株と債券だけでも必要十分なポートフォリオは完成するのですが、いわゆるオルタナティブ投資もある程度しておいたほうがいいというのが私のスタンスです。
オルタナティブと一言で言っても金投資を始めとしたコモディティやREIT、MLP、ヘッジファンド戦略までさまざまにありますので一言では言えないのですが基本的には「株式・債券への相関が低い投資」と思っていただければ問題ありません。
そんなオルタナティブの想定組み入れ割合は0%~50%です。
まずは下限についてですが、投資の王道は株と債券だからオルタナティブはいらないという考えに配慮したものです。
一方で上限ですが、これはいずれかの投資手法一つに資金の50%を投入してもよいという意味ではなく、(先述したようにオルタナティブ投資にはいくつもの種類があるので)いくつかのオルタナティブ投資を組み合わせた結果50%くらいに膨れ上がっても問題ないよね、という意味での50%です。
いくつかの代表的なオルタナティブ投資についてコメントをしていきましょう。
注:今回だけ組み入れ割合はポートフォリオ全体を100%とした際の組み入れ割合となっております。
金
想定組み入れ割合:0%~25%
まあ、世の中には金は理論上お金(インフレ調整済みリターン)を産まないから必要ないという人も多いですが、私としては悪いことは言わないから金にも投資しておけ、と言った感じです。
どのアセットとの相関も非常に低いためにポートフォリオの対脆弱性を強化してくれるからというのがその理由です。あのほら、生物多様性が大事な理由と同じです。
長期リターンはインフレ率と等しいのが特徴。
一部の貴金属(金・銀・パラジウム)を除いたコモディティ
想定組み入れ割合:0%~15%
原油などのコモディティも金と同じく入れておきたいアセットクラスなのですが、あるデメリットがあるので0%もありだと思いますし、私は実際0%です。
そのデメリットとは先物市場を理解することの面倒さです。
コモディティインデックスへの投資とコモディティ関連株への投資の違いという記事でも同じことを書いていますが、一部の貴金属を除き、コモディティ投資では先物を使うために投資結果が必ずしもコモディティ価格と連動しません。
そこらへんがどうなっているかは上の記事でも説明を諦めるくらいには説明が面倒なものなので、理解するのが面倒な人はコモディティ投資をしないという選択肢の方が無難かつベターですし、頑張って理解したいという人は頑張ってくださいという感じになります。
一応述べておきますが、知らないものには投資しないというのが投資界の大原則なので、よくわからないなとなった場合にはコモディティ投資をしない方がいいでしょう。
REIT
想定組み入れ割合:0%~25%
REITはその歴史の中で株をアウトパフォームしてきた数少ない資産の一つです。
その一方でボラティリティは株以上の一面をみせ、さらには株との相関も高いクラスなので、分散という意味では微妙です。
しかし、相関係数が低いとは言っても本質的には不動産という株式とは違うアセットクラスなので、場合によっては株式のデメリットをカバーしてくれるかもしれません。
なお、REIT + 株の割合が50%を超えないように注意しておくべきです。
ヘッジファンド戦略
想定組み入れ割合:0%~30%
いわゆるロングショート、マーケットニュートラル、グローバルマクロ、絶対収益などのヘッジファンドが好む戦略を指します。
その特徴はリスク・リターン比に優れていることです。
リターンは正直少ないのですが、それ以上にリスクが少ないのです。
最近は投資信託やETFでの取り扱いもちょくちょく見かけるようになりました。
ただ、経費率が高いのが多く、そういう意味では止めておいたほうが賢明かもしれません。経費のせいでリターンがマイナスになってるファンドが多いです。
宣伝:
ヘッジファンド戦略のうちロングショートは個人投資家でもやりやすいものなので前に記事で少し述べたりしてます。空売りについて書いた記事です。
さいごに
ということで、様々なアセットクラスについてポートフォリオにどれくらい組み込んだ方がいいのかという問いに対する私なりの答えを書いてみました。
おおざっぱに書きますと以下のようになります。
株:15%~50%
債券:30%~70%
その他:自由に
やはり、投資の醍醐味は自分の裁量で投資先を決めることだと思いますので、その楽しみを損なわないようにかなり自由度を持たせたものになっていますが、一方でこの原則さえ守っておけばバランスの取れた大けがしにくいポートフォリオになるのではないかと思います。
そのうえで割高と思われる資産の割合を減らし、割安と思われる資産の割合を増やすなどをすればいい感じに投資を楽しめるはずです。
個人投資家は動くだけ損だという話はありますが、まあ、この記事で述べた割合を守って長期投資をする限りは大けがはしませんし、投資を楽しむという観点から自分の建てた予測・仮説に従ってある程度動くのを当ブログでは推奨しています。
もちろん、特定のポートフォリオを作ってそれの維持に努めるというのもいいでしょう。
このポートフォリオの弱点を強いてあげるならば、日本国債 日本円現金の割合を0%にした場合に円高リスクへの備えが不足するくらいですかね。
まあ、それについても自分でいろいろ考えて楽しんでくださいという感じになります。
参考:為替ヘッジの理論と実践【為替ヘッジありとなしの違いとは】
お読みいただきありがとうございました。