どうも、あいうえです。
海外に投資する上でどうしても気になるのが為替リスク・円高ですよね。
私もなんだかんだドル円を気にしてしまいます。
日本に住んでいる以上円高とはある程度付き合っていく必要があります。それは仕方ありません。
しかし、きちんと円高について勉強してリスクを減らす努力はするべきです。
ということで今日は新興国投資と円高の関係を見ていきましょう。
基本的には為替リスクが大きいと言われる新興国投資ですが、一部の場合においては有力な投資先となるのでそれをこの記事で伝えていきます。
本記事に登場するチャートは https://jp.tradingview.com/ のを利用しています
1 円高には二種類ある
まずは最初に為替の話をしましょう。
とはいえ、そんなに難しい話ではありません。円高には二種類ありますよーという話です。
円高には、「円が高くなっている」場合と、「他が安くなっている」場合があります。
それをリーマンショックの例で見てみましょう。
こちらのチャートですが、ローソク足になっている方がドルインデックスと言いまして、「ドルの高さ」をはかる指標です。
これが高ければ「ドルが高い」ということになり、低ければ「ドルが安い」ということを指します。
ドルインデックスが高いときはドルが高いので、普通なら円安ドル高になります。
もう片方は普通にドル円のチャートです。
しかしこのチャート、どこか変なところがあります。
丁度二つの線が交差しているところを見てください。
ドルが高くなっているのに円高ドル安になっていますよね?
ドルが高くなってるのにドル安とは如何にという感じですが、答えは簡単です。
ドル以上に円が高くなっているからです。
これが「円が高くなっている場合」です。
リスク回避の際にはドル・円は双方ともに買われますが、円の方がいっぱい買われるせいですね。
次に、クロスしたあとのドルインデックスがドバーっと下がっている場所を見てください。
丁度FRBが量的緩和を開始してドルの価値が下がっている頃です。
今度はドルが安くなるにつれて円高ドル安になっていますよね。
そしてこれが「他が安くなっている場合」です。
もちろん、この二つの場合に完全に分けることはできませんが、なんとなくこの二つに分けることができます。
非常に雑に分ければ、有事の円買いによる円高が前者で、他国の金融緩和による円高が後者となります。
2 他が安くなっている場合の円高は回避できる
正直、前者の円が高くなっている場合の円高は回避のしようがありません。
諦めて一緒に円を買いましょう。または、働いて円を増やしましょう。
しかし後者の場合、理論上は回避できます。
他が安くなっている場合の円高は、一般にどこかの中央銀行による金融緩和が原因です。それか、何かしらの理由があって一つの通貨だけが安くなっている場合が多いです。
先ほどの例で言えば、アメリカの量的緩和によってドルが安くなった結果、円が相対的に高くなってしまったのです。
しかし、冷静に考えてみればドルが安くなったわけですから、円高ドル安にはなっても
円だけが高くなったわけではありません。
ですよね?ドル安なんですから、円だけでなくユーロだってポンドだって高くなっているはずです。
そして、そのような状況で円以上に高くなる通貨というのが存在します。
それが新興国通貨です。
アメリカが金融緩和すると新興国通貨が短期的にはぐぐぐーんと高くなります。
その上がり方が並ではないことを以下のグラフで見てみましょう。
ブラジルのレアルを例にしています。
異常なまでに見づらいグラフですが、赤がドル円、オレンジがレアル円、黄色がドルレアルです。
注目してほしいのはオレンジ色のレアル円です。
金融危機が起きるとドルも円も買われるのでレアル円は一気に円高に振れました。
これは「円が高くなった」場合ですね。
しかし問題はその後です。
同じアメリカの金融緩和に対して、ドル円は円高という反応を見せている一方で、レアル円は円安に振れています。
これが先ほど述べた、アメリカの金融緩和では円以上に新興国通貨が買われる、の証拠です。
まあ、レアル円については2015年くらいにブラジル経済が悪化したせいでその後は円高になったのですが、少なくともアメリカが金融緩和をするとしばらく新興国通貨が高くなることは分かっていただけたと思います。
繰り返しになりますが、一般論として、アメリカが金融緩和をすると新興国通貨が高くなります。
3 どの新興国通貨を買うべきか
とはいえ、じゃあどれを買えばいいのかと言われるとわかりません。
それは買う対象となる新興国次第ですからね。
相手の新興国の経済状況が非常にまずい状態なら、アメリカの金融緩和にも反応しないことが考えられます。
それに、リーマンショックから世界の経済は変わっていますし、次も今回のようにきれいなチャートを描くとは限りません。
しかし、アメリカが金融緩和したらドル安になるというのは確実であり、そしたらおそらく新興国通貨が買われるというのに変わりはないはずです。
そういう意味では特定の新興国にベットせずに、新興国全体の株式を対象とした投資信託・ETFか、現地通貨建て新興国債券に投資する投資信託・ETFを購入するのが有力となります。
株式は怖いところもあるので、私ならFRBの量的緩和を確認したら現地通貨建て新興国債券を買うと思います。
暴落はいつかやってくるものですが、たまには暴落するまでだけでなく「その後」の対応まで考えてみてはいかがでしょうか?
お読みいただきありがとうございました。
為替関連の話としては外貨預金の記事も昔かきました
日本からでも買える新興国ETFたち