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自社株買いの利点と欠点【借金をして自社株買いする?】


どうも、あいうえです。

 

今日は自社株買いについて説明しようと思います。

 

自社株買いとは企業が発行済みの株式を買い戻すことを指します。

 

これは今や配当金より盛んに行われている株主還元の方法ですが、具体的にどのような影響を及ぼすのかよくわかっていない人も多いと思いますので、この記事で共に学んでいきましょう。

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1 自社株買いのメリット

 

ということでまずはメリットから見ていきましょう。

 

1 企業のファンダメンタルズが良くなる

 

これは自社株買いのメリットというより、自社株買いがなぜ株主還元に繋がるのかを説明するものです。

 

当然ですが、自社株買いをすると当然発行済み株式数が減ります。

 

するとどうなるでしょう?

 

発行済み株式数が減ると、「一株当たり○○」という名前のついているファンダメンタル指標の値が良くなります。

 

例えばEPS・PER・ROA・ROEなど。

 

するとファンダメンタルズ的に適正だと思われる株価になるまで株が買われ、結果的に株価が上昇します。

 

その結果、株主は得をするということになります。

 

2 税金面での効率がいい

 

自社株買いとよく対比されるのが配当金ですが、自社株買いの方が配当金に比べて我々投資家にとっては税金面での効率がよいのです。

 

なぜなら、株価の上昇による「含み」益に対しては税金を払う必要がないからです。

 

言い換えれば、投資家は好きな時に税金を払うことが選べるとも言えます。

 

配当金は貰うと強制的に税金を払わされますが、株価の上昇による税金は株の売却という形で好きな時に払えるため損益通算とかを行い節税できます。

 

長期投資において、節税効果は複利効果との相乗効果により大きなメリットをもたらしてくれます。

 

そういう意味で私は自社株買いの方が配当金より好きです。

 

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2 自社株買いのデメリット

 

次はデメリットです。

 

1 短期投資家には不向き

 

短期的には、株価はファンダメンタルズ通りに動いてはくれません。

 

効率市場仮説が短期的には成立していないのはバブルなどの例を見れば明らかです。

 

なので自社株買いは短期投資家には不利な還元方法です。というか、下手したら数年単位の中期投資家にとっても不向きかもしれません。

 

2 メリットが分かりにくい

 

これは1に似ています。株価はファンダメンタルズ通りに動いてくれないので、どれくらいの利益を得たのかが分かりにくいです。

 

配当金は「○○円」みたいな感じでわかりますからね。

 

また、企業が問題を起こして株価が下がる場合も考えられます。

 

それでも理論上は含み損が自社株買いがなかった場合に比べると少ないです。

 

-100000円だったはずが-99900で済んだぜ!みたいな感じで。

 

でもそれだと恩恵受けた感ないですよねぇ……。

 

「還元感のなさ」は配当と比べた際の大きなデメリットです。

 

3 ストックオプションのせいで実質還元額が落ちる

 

あとは、ストックオプションとの兼ね合いで少し還元額が落ちるというのもあります。

 

ストックオプションというのは、いろんなのがありますが、特定の価格で株式を買う権利のことを指すことが多いです。従業員や、役員への報酬として使われていますね。

 

配当と違い、自社株買いは株式が上昇するので、その結果上記にある「特定の価格」を超えることがあります。

 

するとストックオプションの保有者は「特定の価格で株式を買う権利」を行使して株式を買った後に市場で売り払えば利益を出せるわけです。

 

その「特定の価格で株式を買う」権利を行使された場合会社はその人にあげる株式を調達しなければならないのですが、市場から株式を調達するのではなく新株を発行することで調達する場合が多々あります。

 

新株の発行というのが自社株買いとは真逆の行為であることは言うまでもありません。するとこういう図式が成り立ちます。

 

自社株買いを行う→発行済み株式数が減ったことで株価があがる→役員がストックオプションを行使する→役員に上げる分の株式を新規発行する→発行済み株式数が増える

 

あれ、一周回って自社株買いの効果が消えちゃいましたよ……?

 

まあ、役員にあげる分の株式は自社株買いの総量に比べると微々たるものなので、一周回ったところで一周回る前より発行済み株式数が増えることはないのですが、雰囲気としては役員に株主還元を奪われる形になります。

 

なので実質還元額が落ちるという風に見出しをつけました。

 

まあ、配当金も国に税金取られるし多少はね?

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3 自社株買いと借金

 

なんと、世の中には借金して自社株買いしている企業があります。アメリカに多いですね。

 

……は?

 

って感じですよね。株主還元はあくまで「利益」を還元するためのものであって、それを借金をしてまでやるなんて普通に考えておかしいです。

 

しかし、結論から申し上げますとこれはほとんど問題ありません。むしろ喜ばしいのです。

 

なぜ「ほとんど」なのかも含めて、借金による自社株買いについての説明をさせていただきます。

 

1 借金した方が多く還元できる

 

実は借金をした方がより効率的に株主還元できるのです。

 

ここにA社があるとします。A社はアメリカの会社です。

 

A社は利益の全てを株主に還元するいかにもアメリカンな会社です。どこぞの極東の島国の企業にも見習って欲しいですね。

 

A社は毎年100万円の利益を出せます。

 

すると株主還元できるのはそこから税金を引いた60万円です。(税率は40%とします)

 

では、ここでA社が株主から20万円借金して自社株買いしたとします。

 

そしたら次の年のA社の利益は30万円減って70万円になりました。なぜなら20万円の借金を10万円の利子をつけて返済したからです。

 

すると株主還元できるのはそこから税金を引いた42万円です。

 

では、この一年にA社の株主はいくら還元してもらったのでしょうか?

 

まず、20万円の自社株買い分があります、次に利子の10万円があります、そして最後に42万円あります。合計で72万円です。……増えてますよね?

(利子分は定義上は株主還元ではありませんが、事実上の株主還元と考えられます。というか、利子を除いても62万円と還元額は増えています)

 

その代わり国の税収が12万円減ってます。

 

もちろん、借金をすべて株主からしたという前提のおかしさ(銀行から借りてる場合がある)や、株主が全員A社の社債を買っているとは限らないという問題もありますが、このモデル自体は間違っていません。

 

大事なのは国に納める税金が減るという部分で、銀行の利益も巡り巡って株主に帰ってくるわけですから。

 

ちなみにA社ではありませんがAPPLE社は数十億ドルの社債を発行して株主還元していたりします。

 

2 借金をしても「ほとんど」問題ない

 

ということで、借金をすると結果的に還元額が増えるので「借金して自社株買い」というのはむしろ投資家からしたら喜ばしいことなのです。

 

ただこれには当然「借金を返せる」という前提があります。

 

デフォルト状態に陥ったらダメなので、その匙加減を気にする必要があります。

 

なので「ほとんど」問題ないのです。

 

APPLE社はすべてを返せるくらい稼げる自信があるからあれだけの社債を発行しているわけですし、フィリップモリス社はめちゃくちゃ自信があるので債務超過になるまで借り入れて株主還元をしています。

 

債務超過になるまでとなると大丈夫かな?という感じが流石にしますが……。

 

しかし、大丈夫な限りにおいてはメリットの方が大きいのが借金による自社株買いです。

 

特に低金利の時代には借金による自社株買いが流行する傾向があります。

 

低金利だったらバンバン借金しても将来デフォルトする可能性が低いですから。

 

同じく低金利の時代では、連続増配銘柄は借金をしてでも自社株買いした方がいい場合があります。

 

毎年一定の利子を払う必要が出てくる一方で、配当総額を増やさなくても増配を達成できますからね。

 

長期的にはこちらの方が増配余力を温存できます。

 

まとめ

 

ということで自社株買いについてまとめた記事でした。

 

アメリカ企業は株主還元意識が強いので、配当性向と自社株買い性向を足した総還元性向が100%に近い企業も多いです。

 

というより、例の借金して自社株買いだと普通に100%超えたりします。

 

そういう意味ではもしかしたら社債を買っておくべきなのかもしれませんね……?

 

株主還元の一部が社債という形で行われていることになりますから。

 

そういう視点で株主還元を見てみても面白いかもしれませんね。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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